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ただいま駆け落ち中(仮)

「四季、やましいことがないから、誤解する前にちゃんと答えてくれるかな?それとも」 「違うの。あのね和真さん、商店街の福引きで一等賞の一泊二日温泉ペア無料宿泊券が当たったんだ。僕、車椅子だし他に一緒に行くひとがいないから、きよちゃんとたもくんにプレゼントしたんだ。そしたら、たもくんが自分が面倒みるからって僕のこと招待してくれたんだ。もちろん部屋は別々だよ。ただお風呂だけは一人じゃ入れないからって、たもくんが入れてくれた。だから、その……」 段々自分で何を言ってるか分からなくなってきた。なんともいえない気まずい空気にますます顔を上げられずにいたら、チャポンお湯が小さく跳ねた。 「たもくんとは一回腹を割って話しがしたいと思っていたんだ」 「和真さん、たもくんとはなんでもないの」 「分かってるよ。四季にとって彼は何でも話せるお兄ちゃんで、頼れる先輩。でも俺にとっては恋敵(ライバル)に変わりはな」 きっぱりと言い切ると両腕が背中に回ってきて。すっぽりと包み込むようにぎゅっと抱き締められた。

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