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いつかきっと笑ってくれますか
「行こう四季。構う必要はない」
彼がそのふたりを無視し、玄関のドアを開けてくれた時だった。
「靴に盗聴器が仕掛けられていたんだろう?」
馬鹿にするかのように嘲笑われた。
手押しハンドルを握る彼の手が怒りで震えていた。
相手は警察。僕らが束になっても敵う相手じゃない。それは彼も分かっているからか、あえて反論はしなかった。
「おぃ、てめー人殺しを庇うのか!」
のどかで静かな里山にドスのきいた声が響き渡る。軒先で羽を休めていた雀の群れがその声に驚いたのか一斉に飛び立った。
「そこまでおっしゃるなら、確たる証拠を今すぐ持ってきてください」
お爺ちゃんが助けに来てくれた。
「あ?」
眉を吊り上げ威し付けるように睨まれてもお爺ちゃんは全く動じなかった。
「和真、四季くんを早く抱っこして」
お婆ちゃんも助けに来てくれた。
膝の上のキャベツをすぐに移動すると、彼が横に抱き上げてくれて。お婆ちゃんが車椅子を押して玄関に入り鍵を閉めた。
「一体誰が四季くんを悪者にしようとしているんだ」
お爺ちゃんが悔しさを滲ませ、テーブルをどんと叩いた。
「四季くんがここにいるのを知っているのはごく一部の人間よ」
お婆ちゃんから、一連の事件に関して重要参考人として指名手配されたことをテレビの報道で知ったと教えてもらった。
一体誰が……
なんの目的で。
見えない影に怯え、身体の震えが止まらなくなった。
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