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焼きもちを妬いてばかりの彼
噂をすれば影がさすで、電話を掛けてきたのは彼だった。
「ううん、何でもないの」
結お姉さんが笑うのを必死で堪えていた。
「和真、四季くんが心配なのは分かるけど、警察がいなくなるまでお爺ちゃんの家に近寄らない方がいいよ。じゃあ、切るよ」
用件だけ聞くとすぐに電話を切った。
「結お姉さん、和真さん何て?」
膝かけをぎゅっと掴んだ。
「初瀬川さんの弟さんと無事に会えたって。警察に相談したら、ただの家出だろうってまともに取り合ってもらえなかったみたい。あと、斎藤さんと吉村さんに立ち会ってもらってお金もちゃんと返したから安心してって言ってたわよ」
「良かった。ちゃんと受け取ってもらえて」
心臓の位置にてのひらをあてて、鼻で深く息を吸い込んだ。
「変なこと聞くけどお金って……?」
結お姉さんと櫂さんには隠し事はしたくなかったから正直に話した。そしたら、
「四季くんには言わない方がいいと思って言わなかったけど、四季がいたしらさぎの丘児童養護施設の評判、かなり悪いみたいよ」
「SNSで酷評されている」
ふたりから思いがけない話しを聞くことになった。
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