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暗澹

翌朝ーー 「あ、ここ」 彼に連れてきてもらったのは、市役所の近くにある西ノ内総合病院だった。 アパートが放火された時にしばらく入院していた病院だ。 「きよちゃんと黒田さんは、関係者以外面会謝絶だから、退院してからお見舞いに行ったらいいと思う。四季、そんなに緊張しなくても……俺まで緊張するだろ?」 「だって、僕、初瀬川さんに嫌われているから、どう話し掛けていいか分からない」 「俺が思うに、初瀬川さんは四季のことを嫌ってないよ」 「嘘だよ。そんなの有り得ない」 「初瀬川さんも副島と同じだ。敵を欺くために嫌われ役をかって出たの知れない」 彼に車椅子を押してもらいながら、中に入ると、隆之さんが笑顔で出迎えてくれた。 「姉さんが四季くんにどうしても会いたい。そう言ったんだ。だから、謝らなくていい」 彼と一緒に挨拶をしようとしたら、言葉を遮られた。 「四季くんを晒し者にしたくない。こっちだ」 隆之さんが足早にエレベーターへと向かった。

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