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複雑に絡み合う想い

『つむらやさちか?園長に橋本以外の娘がいるなんて初めて聞いたぞ』 スマホから副島さんの声が聞こえてきたから腰を抜かすほど驚いた。 『どういう字だ?』 「糸偏に少ないで紗《さ》、千円の千で千《ち》、香りの香で香《か》です」 『なるほどな。男の方は椎谷っていう名前だよな?最近どこかでその名前を聞いた覚えがある。早速調べてみるよ。ありがとう四季。助かった。また、連絡する』 「もう掛けてこなくていいぞ」 『四季は俺の大事な妹だ。兄として心配するのは当たり前だ。違うか?』 「分かった。お前の言う通りだ。切るぞ」 耳の痛いことを矢継ぎ早に言われる前に通話を切った。 「みんなして心配性なんだから、困ったものだな」 苦笑いを浮かべながら片手でスマホを操作し始めた。もう片方の悪戯好きな手が大人しくしている訳などなく。あちこち好き放題撫で回しはじめた。 「か、和真さん」 「ん?どうかした?顔赤いけど大丈夫?」 「もう分かってる癖に」 言うのも恥ずかしくて俯いた。 「恥ずかしがりやなところが可愛いね」 素知らぬ顔で愉しげにくすりと笑われた。 やがて彼の手が浴衣の中に入ってきてお尻をふにゃっと撫でながら、 「脚、もう少し開いて」 耳元で掠れた声で囁かれ甘噛みされ、ピクピクっと身体が小刻みに戦慄いた。

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