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コオお兄ちゃん

櫂さんは両手で布団を抱き抱えていた。それを見た彼が、 「ちょっと待て、まさかここで一緒に寝る気じゃないだろうな」 「そうよ。駄目?」 「八畳間に大の大人が4人一緒って、姉さん」 「5人だ。狭いが寝れないことはない」 副島さんが櫂さんから布団を受け取ると畳の上に敷いた。みっつ布団が川の字に並ぶと部屋がいっぱいで歩くところがなかった。 「修学旅行みたいでいいじゃないの。私と四季くんは真ん中ね」 結姉さんには誰も敵わない。 誰が副島さんと同じ布団で寝るかで彼と櫂さんがじゃんけんをはじめた。 「くだらん」 副島さんがぼそっと呟くと、早い者勝ちといわんばかりに、僕の隣、背中側に潜り込んできた。 「あぁ~~!」 先を越されてしまい、ムッとして、副島さんをなんとか移動しようと身体を揺すったけど、ピクリとも動かなかった。 こんな状況でも結お姉さんは相変わらずテンションが高い。 パチン、両手で叩くと、 「四季くん、もしかして照れてる?顔が真っ赤でかぁ~~いい!」 破顔し、むぎゅーーと抱き締められた。 「副島、四季くんをぎゅっと抱き締める絶好のチャンスだよ。なに今さら遠慮してんのよ。ほら、早く」 副島さんの息が首筋にかかりぴくっと肩を震わせると、背後から腕が回ってきて。まるで壊れ物を扱うように、そっと静かに抱き締められた。

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