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コオお兄ちゃんのすきなひと

混乱し口を開くも言葉に出ないみたいだった。 「和真さん、大丈夫?」 手をそっと伸ばし、袖をツンツンと軽く引っ張った。 「あ、ごめん。ぼおーっとして」 視線が絡み、しばらくの間言葉も交わさず見つめ合ってると、 「新婚さんの邪魔だね。ごめんね、邪魔して」 征之おじちゃんが慌てたように、そそくさと台所をあとにした。 「いつまで待ったら嫁を連れてくるんだ?父さんは反対しないし、同居も望まない。もし相手がいるなら連れてこい」 居間にコオお兄ちゃんがいるのかな?話し声が漏れ聞こえてきた。 「ねぇ和真さん、コオお兄ちゃん好きなひといるの?」 「さぁ~どうかな?」 思わせ振りな彼の態度に、いったん考え込んだ。もしかしたら僕が知っているひとかも知れない。 どれだけ考えても、頭に浮かんで来るのは、斎藤さんと吉村さんと雄士さんの顔。そういえばコオお兄ちゃんが女性と一緒にいるところなんて一度も見たことがない。 「和真さん、もしかしてコオお兄ちゃんの相手って……」 「四季も気付いた?」 彼がふふっと愉しげに笑った。

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