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コオお兄ちゃんのすきなひと
「……雄士、さん?」
自信がなかったけど彼しか考えられなかった。
「……」
瞬きをし、ぽかんと口を開ける彼。
「え?違うの。それじゃあ斎藤さんか吉村さん?」
「あとは本人に聞いたらいい」
「えぇ~!気になる。気になるよね四季くん」
たまたま飲み物を取りに来た結お姉さん。冷蔵庫をパタンと閉めると、和真さんに詰め寄り質問攻めにした。
「相変わらず賑やかな姉弟だ。四季、悪いが至急確認して欲しい画像があるんだ」
コオお兄ちゃんがやれやれとため息をつきながら、手押しバンドルを握ると車椅子をゆっくりと押してくれて。居間へと移動した。
「お迎えさんの防犯カメラに映っていた人物に心当たりはないか、確認して欲しい」
テーブルの上にはパソコンが置かれてあった。
「ゴミの集積所は別にあるんだが、どういう訳かゴミの不法投棄があとを絶たないんだ。証拠がなければ警察は動かないだろう?だから、防犯カメラを設置したんだ。四季、俺の顔に何か付いているのか?さっきから、じーっと見て。和真に焼きもちを妬かれても知らないぞ」
「あ、違うんです」
慌てて首を横に振った。
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