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コオお兄ちゃんのすきなひと

「コオお兄ちゃんに好きなひといるのかなって思って。あ、やっぱりいいです。ごめんなさい変なことを聞いてしまって」 穴があったら入りたいとはまさにこのことをいうんだろうな。耳まで真っ赤にし俯くと、 「何を急に言い出すかと思ったら」 クスクス笑いながら、頭をぽんぽんと軽く 撫でられた。 「だから、和真と結が盛り上がっているのか。なるほどな。そうなったらいいなと思うひとはいることは確かだ。相手は四季と同じくらい鈍感で、全く気付いていない。でも、側にいれれば別に片想いのままでもいいかなって、仲の良い友だちのままでもいいかなって、今はそう思う」 コオお兄ちゃんの目がきらきらと輝いていた。はたから見ても幸せそうで。なんだか僕まで嬉しくなった。 「話しが逸れてしまったな。四季、この黒服の人物に心当たりはないか?」 コオお兄ちゃんが画面を指差した。 「う~ん、後ろ姿だけじゃ分かりずらいかも。顔が少し見れればな……あっ、そうだ」 初瀬川さんが言っていたことを思い出した。 「首筋に五円玉くらいの痣があれば、初瀬川さんのお兄さんかも」 「そうか」 コオお兄ちゃんと一緒に目を凝らし画面を覗き込んだ。

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