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こはるちゃん
征之おじちゃんとすっかり打ち解けた様子のこはるちゃん。あまり好き嫌いしない子なのかな?朝から食欲が旺盛でご飯を何度もお代わりしていた。
「決して実らぬ恋を諦めて、見合い相手と結婚するつもりでいたらしい」
こはるちゃんを見つめていたコオお兄ちゃんがぽつりと呟いた。
コオお兄ちゃんはずっと斎藤さんが好きだった。その斎藤さんは吉村さんにずっと片想いをしている。
その時、ぴぴぴ、とアラームが鳴り響いた。
「庭に誰かが侵入したのかも知れない。見てくる」
「父さん、ひとりでは危ない。俺もいく」
「和真くんがいないんだ。浩太郎は四季くんと心春ちゃんのそばにいていてやってくれ。何かあればふたりを守るんだ」
「分かったよ」
征之おじちゃんが刺股を握り締め外に確認しに向かった。
「防犯カメラを確認したら、誰かが侵入した形跡はなかった。念のため玄関を見に行ったら、紙でくるんだ石が投げ込まれていた」
10分ほどで征之おじちゃんが戻ってきた。
三枚の紙には人殺し。同じ目に遭わせてやる。天罰が下る。とマジックでそれぞれ書かれてあった。
「誰がこんな酷いこと。こはるちゃん、まだ2歳だよ。何も悪いことをしてないよ」
「とんだとばっちりだ」
コオお兄ちゃんと征之おじちゃんはこはるちゃんに見せないように紙をポケットにそっとしまい込んだ。
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