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暗澹

「若いっていいわね~~四季くんの手作り弁当が食べれる和真が羨ましいわ。あ、そうだ。飲み物準備しないとね」 朝からお婆ちゃんはテンションが高い。 庭ではお爺ちゃんが一心不乱に竹刀を振っていた。 彼の喜ぶ顔が見たくて好物ばかり弁当箱にぎゅうぎゅうに詰め込んでいたら「おはよう」欠伸をしながら彼が起きてきた。 「四季が隣にいなくて寂しかった」 傍らに立つと前屈みになり包み込むようにそっと抱き締められた。 「ごめんなさい。お弁当を作るのが楽しみで早く目が覚めちゃったんだ」 「きみらしいね」 彼がクスクスと笑い出した。 「こはるちゃんは?」 「まだ寝てる。起きるまで起こさないでおこう」 「うん、分かった」 「どうやらお婆ちゃんはお邪魔のようね」 困ったような声が聞こえてきて。 ビクッと肩を震わせた。 「なんで私が照れてるのかしらね。和真、水筒忘れないでね」 顔を真っ赤にし照れ笑いしながらお婆ちゃんが台所からそそくさといなくなった。 「お婆ちゃんがいることをすっかり忘れていた。なんか、悪いことしたね」 「そんなことないよ」 ぶんぶんと首を横に振った。

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