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絶望の先にあるものは……

寝ているふたりを起こさないように布団から抜け出そうとしたけど、ふたりの腕が体にしがみついていて身動きがまったく取れなかった。 和真さん、眠ってる……よね? こはるちゃん中心の生活になり、彼の寝顔をこうしてまじまじと見るのは久し振りだった。 心臓がドキドキしてる。 寝ている彼に大人の色気を感じて、胸がときめいた。 「そんなに見つめられたらキス、したくなるだろう」 困ったような彼の声が聞こえてきて。どきっとして顔を上げると、スイと頤を掬われ、チュッと軽く唇に口付けをされた。 「おはよう四季」 「和真さんおはよう」 「副島も心春もまだ寝ているみたいだな。四季に甘えるなら今だな」 腰に絡み付いているコオお兄ちゃんの腕を、起こさないように細心の注意を払いながらそぉーとどかすと、パジャマ姿で抱き合った。 お互いの体温がすぐに伝わり、幸せな気持ちになれた。もし叶うことならずっとこうしていたいって思った。

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