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結婚式

神様に誓いを立てて指輪の交換をしたのち、彼が、 「披露宴で誓いの言葉を述べる予定でいましたが、参列して頂いたゲストの皆さんや、わざわざ足を止め私たちの結婚式を温かく見守って下さる皆様に私たち夫婦の決意をどうしても聞いてもらいたくて少しだけ時間をください」 厳かなムードに包まれていた場が一瞬静まり返った。 「わたしたちは、5月25日に入籍をし、無事夫婦になることが出来ました。本日は皆様の前で、絆をさらに強くするため、次のことを誓います。これからもわたしたちはお互いを思いやり、支え合い、笑顔いっぱいの明るい家庭を築いていくことを誓います。そして亡くなった夕貴さんの遺児である心春と円花を私と妻・四季の娘として、来年の春に生まれてくる実子と分け隔てなく、愛情いっぱいに育てることを皆様に誓います。まだまだ未熟なふたりですが、お世話になった皆様に感謝しながら、この約束を生涯守ることをここに誓います。私たちがこうして無事に結婚式を挙げられたのも、スタッフの皆様や、シニアボランティアの皆様、頼もしい仲間たちのお陰す。ありがとうございました」 彼の思いの丈が詰まったスピーチに、あちこちから啜り泣く声が聞こえていた。 夕貴さんの遺影を抱っこするお婆ちゃんも、心春を膝の上に抱っこするお爺ちゃんも、円花を代わり番こに抱っこしあやしてくれている黒田さんと初瀬川さんも。気付けばみんな泣いていた。 最後まで涙、涙だったけど、温かい拍手で祝福してもらい、一生忘れることが出来ない結婚式になった。 彼と二人三脚。こはるちゃんと円花ちゃんと、そしてお腹の子と笑顔と幸せにあふれた家庭を築いていこう。 夕貴さんが命がけで守った子供たち。 夕貴さんから託された命のバトンは、僕と彼で未来へと繋いでいく。

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