「あ、はぁッ！　はぁ、あぁッ！　ヤだ、激しッ！」 　抉る勢いで穿つ紫苑の腰つきに、由樹は我を忘れて酔いしれていた。 「思いきりいい、っていっただろ」 　ローションの鳴る水音、肌を叩く乾いた音、絶え間ない由樹の嬌声。 （あぁ、あの時と同じだ） 　紫苑は由樹を抱きながら、以前来夢と波留の情事を盗み聞きしたことを思い出していた。 （ちくしょう。波留、好きだ。波留ッ！） 　だが、紫苑の下で悦がっているのは由樹なのだ。 　自分で自分に、腹が立つ。 　感情の赴くまま、紫苑は由樹を抱いた。 「あ、イくッ！　出ちゃうぅ！」 「いいぜ、出せよ」 　びゅっ、と由樹の精が飛んだ。 　生温かい体液が紫苑の腹まで届き、その刺激で精嚢が震えた。 　紫苑は、スキンの中に思いきり射精した。