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第三章・10

 そっと、先端だけ挿れ、また抜く。  ぐりぐりと押し付けてみる。  そんな事を何度か繰り返し、滑りを確認してみる。  念のため、ローションをもう一度たっぷり垂らし、ぐっと力を入れてみる。  ぬぷぬぷと、半分ほど挿入っていった。 「あッ。ぁんん!」 「痛くないか。大丈夫か?」  やっぱり初めてはバックからの方がよかったかな、と凱は手を伸ばし怜也の髪を撫でた。  もう一度抜き、ゆっくりと挿れる。  弓なりに反る怜也の体に被さり、キスをした。  挿入る。  まだ挿入る。  ようやく、根元までしっかりと挿入った。  凱のものが、体の中で脈打っている。  震え、荒い息を吐きながら、怜也はたとえようもない幸福感に満たされていた。  以前、襲われるように嬲られた時とはまるで違う快感。  静かに抜かれ、また挿れられるたびに、ぞくぞくした気持ちよさが全身を走った。

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