118 / 144
第一章 夏のイベント・野外実習!
暑い暑い夏の日。
凱は広い広い運動場を、まるでマグロのようにぐるぐるぐるぐる走らされていた。
離れたテニスコートの方からは、きゃっきゃと楽しげな笑い声が聞こえてくる。
それを忌々しく思いながら、もくもくと走っていた。
テニスに興じる奴らがうらやましい。
疲労を味わいながらも、今度怜也を誘ってテニスをしようなどと浮かれたことを考えていた。
「凱、大丈夫?」
いつのまにか後ろから走ってきていた怜也が、凱に並んで速度を落とし話しかけてきた。
まるで平気な顔をしながら、この酷なメニューを淡々とこなす怜也。
ひ弱そうに見えて、さすが俺の選んだ男だ。
これくらいの持久走で、へたばったりしないのだ。
ともだちにシェアしよう!