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第二章・12
やれやれ、とその背中を見送った。
そんな負けず嫌いなところも大好きだ。
この調子だと、追い付かれるのも時間の問題かもしれない。
だったら、今日はソフトドリンクでなく、よく冷えたビールで乾杯かな。
少しずつ、でも確実に変わってきているのは怜也も同じらしい。
可愛らしかった少年が、美しくも頼もしい男になってゆく様を見るのは、なかなか楽しく嬉しい。
そして少しだけ照れくさいものだ。
その傍に居られることを、凱は喜んだ。
生まれて初めて、神に感謝した。
「でも、まだ負けるわけにはいかねぇな!」
弾んだ声で一言気合いを入れると、凱もダッシュした。
遠くに離れてしまった怜也を追いかけ、走り始めた。
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