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壱
【無理やりだったり、痛そうだったり、複数に犯されたりします。苦手な方は読まないでください】
***
「やっ、止めっ! 助けて……悠 くん!」
「いくら呼んでも〝悠 くん〟は来ねーよ。いい加減諦めな」
逃げを打った華奢な体は強い力に抑え込まれ、バランスを崩し倒れたところで、足首をギュッと掴まれ後ろへ引き戻される。
「嫌だっ……離して!!」
「へぇ、ホントに離してイイのか?」
「そんな事したら大好きな悠くんが大変な事になるかもよ」
「それは、どういう……」
意味が分からないのだろう。鈴斗 はピタリと動きを止め、自分を囲む三人の男に震えながらも問い掛けた。
「どういうって、そのまんまだけど」
「アイツ生意気じゃん。優等生だからって、いちいち偉そうでムカつくんだよ」
「イジメはカッコワルイ……だっけ? 鈴ちゃん助けて英雄気どりとかマジムカつく」
「あーゆー奴には本人より、大事なモノ壊した方が効くんだよ。だから……な?」
コンクリートに囲まれた小さな部屋には窓が無く、真ん中にある大きなベッドの他には何も置いて無い。
なぜ自分は此処 に居るのか? まだ理解していないけれど、彼等の脅し文句の意味はしっかりと伝わった。
「そんな……」
「鈴ちゃんがちゃんと言うコト聞けたら、高久 には何もしないけど、もし逆らうなら、俺ら怒って何するか分からないよ」
ニヤリと笑みを浮かべた佐倉は今は違うクラスだが、一年生だった去年は中心になって鈴斗を虐め孤立させた人物だ。派手な見た目でも目立っていたが、素行は更に悪かった。
彼と一緒に居る二人は、仲間というより取り巻きのような存在だったと記憶している。
「悠くんは、どこにいるの?」
「さあ、どこだろうな。今はピンピンしてっけど、これからは鈴ちゃん次第ってトコ?」
床に倒された状態のまま、取り囲むように立つ三人を見上げるだけで、恐怖の余り声が掠れて震えるが、とりあえず無事だと分かって鈴斗は小さく息を吐いた。
「僕が……佐倉くんの言うこと聞いたら、悠くんには何もしない?」
「物分かりイイじゃん。分かった、約束するよ。その代わり、俺らの言う事何でも聞けよ」
佐倉の掌が髪に触れ、そのまま頭をガシガシ撫でられ鈴斗は歯を食いしばる。
どちらにせよ、自分は絶対無傷ではいられない。
嫌だと言ってもこの状況から逃げ出すのは無理だろうし、抵抗すれば鈴斗のみならず悠陽 まで……被害にあってしまうだろう。
ならば……自分が全て受け止めるしか道はない。
二人一緒にいた所から記憶がプツリと途切れてるから、悠陽も彼等の手に落ちている可能性が高いと考え、鈴斗は震える指を握り締め小さくコクリと頷いた。
「じゃあ、まず立て」
威圧感のある佐倉の声に、鈴斗はゆっくり立ち上がる。早くしようにも足がガタガタ震えて言うことを聞かなかった。
「服を脱げ」
「え?」
「脱げって言ってんだよ。全部脱いで裸になれ」
「なん……で?」
虐められてた時のように、見えない所を殴られたり蹴られたりすると思ってたから、思わず鈴斗が言葉を返すと、頬を軽く張られてしまう。
「痛っ」
「知ってると思うけどさぁ、俺短気だから口答えすんじゃねえよ」
「鈴ちゃんが脱がして欲しいなら手伝うけど?」
佐倉に続いてヒョロッと背の高いリクと呼ばれてる取り巻きが、茶化すように言ってくる。
「じ、自分でやります」
彼の短気は身を持って知っているから、鈴斗は慌ててシャツのボタンへと震える指を移動させた。上手く指が動かせないが、やらなければ悠陽が酷い仕打ちを受けてしまうから。
「始めからそうすりゃいいんだよ」
自分を囲む三人から至近距離で見られていると、羞恥よりも恐怖が勝って歯がガチガチと音を立てるが、それでも大事な相手を思い、全ての衣服を脱ぎ去ると……頭の上で誰かがゴクリと唾を飲み込む音がした。
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