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6日目

 最後の日、男は何人もの男達を連れて来た。  結果を見たがる帝の代理の依頼者と、その取り巻き。  そして、奴隷達。  戦闘奴隷ではなく、性奴だとわかる。  見事な躰をしていても、戦闘のためではなく、その逞しい身体で女や男を抱くための男達だ。  抱かれるための少年達とはまた違う。  何故きたのかの意味はわかった。  皇子を犯させるためだ。    戦闘奴隷二人で鎖につながなければならなかった皇子が大人しく男に従うのを、代理人達は驚いて見ていた。  「誰が抱いても悦ぶ淫らなメスになりました。お楽しみいただけるかと」  男は寝台の上に皇子を裸にして、練るように銘じた。  褐色の鍛えあげられた身体。  尖った熟れた乳首。  見られているだけで、勃ちあがっていく性器。  皇子は自分から、尻をあげ、すっかり慣れた穴を自分から広げた。    高貴な皇子の淫らな姿。  代理人達は息を飲んだ。  性奴たちが、同じく性奴になった皇子に近づいていく。  大きな性器を勃起させて。  奴隷達の目は無表情だ。  何も見えない。  欲望さえ。  それは部屋の隅で控えるあの奴隷と同じ。    皇子の目だけが金色に輝く。   欲望に。  欲しがって。  皇子は最初に近づいた性奴にの性器に自分からむしゃぶりついた。  握って擦って舐めて扱く。  美味しそうに。  気持ち良さそうに。  ピチャピチャと音を立てて。  違う性奴が背後から皇子の尻を犯し始めた。  巨大なそれを皇子の穴は受け入れた。  突かれる度に、性器を咥えながら喉の奥で、皇子は喘いだ。  激しく突かれると、口からはなしてしまうが、その指からは手離すことはない。  いいっ  いいっ  チンポ頂戴!!  叫びながら射精した。    見ている男達が興奮する。  皇子を犯す性奴達と、それを見ているあの奴隷だけは光ない目のままだ。  皇子の目だけは金色に輝き、欲望に満ちる。  好きぃ  好きぃ  好きぃ  皇子は叫んだ。  そのしなう身体。    その淫らな乳首。  その淫らな性器。  精液に汚れた口と穴。  男達はたまらなくなった。  皇子が欲しくてたまらなくなった。  好きぃ  叫ぶ声が喉を犯され出なくならまで、皇子は叫び続けた。  その言葉の意味を知るのは、男と。  あの奴隷だけだった。  性奴が犯している最中なのに、代理人の男は寝台に駆け寄った。  性奴にのくように命じ、皆の目の前で皇子を犯しはじめる。  性奴が出した精液をにまみれた皇子を。  それなりに高貴な立場があるだろう男が。  下々の見る前で。  我を忘れていた。  皇子の穴に狂い、独占したがった。  いいっ  いいっ  皇子は自分で動いて良いところにこすり付けたり、締め付けたりして、快楽を得るように動く。   そして、しぼりとる。    何度出しても、男は終われなくなっていた。  「これは・・・これは・・・」  男は涎をたらし、腰を振り続けた。  かなり間抜けな姿だったので、男は笑いをこらえるのに苦労した。  皇子は男を絞りつくした。  男が動けなくなったなら、その取り巻きの男達まで喰らいつくした。  皇子の金色の目だけは輝きをましていった。    すき。  皇子は囁いた。  ただ一人のために。  だけど喰らって喰らって喰らいつくした。  その穴は底なしだった。  男は性奴達に命じて、男達を外へ運び出させてやらなけらばならなかった。  男達は動けなくなったのだ。  皇子も、もう連れて行かれるだろう。  身体の手入れを教え込んであると言ってあるので、奴隷と引き裂かれることはないだろう。  奴隷は淡々と皇子の身体の始末をしていた。  皇子は、微笑みさえ浮かべて男を見た。  「ご苦労。世話になったな」  高貴な者らしいもの言いだった。  「あなたなら、やり遂げます」  男は慇懃に頭を下げた。  「当然だ。やり遂げてやるさ」  皇子は残忍な微笑みを浮かべた。  そうするだろう。  もうすでに。  有力者を骨抜きにしている。  奴隷は慎ましく皇子の足元に控えた。  いつか、この奴隷は皇子にのしかかり犯すだろう。  望み通り、閉じ込めてしまうかもしれないが。  男は皇子を連れていかれるのを見送った。  明日、後宮の宴の出し物として、皇子は犯されて殺せれる予定だった。  だが。  結末は変わるだろう。  男にはそれがわかっていた。  数ヶ月後、元気だったはずの帝が突然の病で亡くなり、国中が喪に服したが、男は驚きはしなかった。  ただ、何も言わないことを命じられた。  いつでも逃げる準備はしていたが、殺されなかったのは、先帝にいつ殺されてもおかしくなかった新しい帝の感謝の印だと男は思っている。  皇子と奴隷のその後を知ることはない。    その後死んだか。  それとも。  どこかで皇子は幸せに閉じ込められて、すっかり淫らになった身体を一人の男に与えているかもしれない。  散々欲しいことを耐えたあとの快楽は。  たまらなく甘く、熱く。  あの穴はきっと今までで一番熱いはずだ。     あの奴隷だけがその穴を味わったのだ。  ただ、残念なのは。  結局一人の男のためにあの身体を誂えてしまったようなモノなので。  皇子は男としては傑作だとは、言えないということだ。    終わり  

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