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第1話

今夜のおつまみを作る。 本当に何でも有る冷蔵庫って良いよね。 少しだけ拝借して5品作った。 料理長には許可貰ってるからな。 ワントレーに少しずつ載せて出来上がり。 残りは料理長にあげる分として置いておく。 そういう約束だからな。 ついでに朝食になる物も添えて終わり。 俺は前世の記憶がある。 まぁ、記憶の所為で変人扱いされて親から捨てられたんだけどな。 ここの主人に拾われて1ヶ月。 掃除、洗濯、出来ることなら何でもさせて貰ってる。 給料も良いし、住み込みだし、何よりみんな良い人ばかりで可愛がって貰ってる。 「何をしているのかな?」 おっと、軽装など滅多に見ない主人が登場だぞ。 「少し晩酌をしようと」 庭師から貰った酒瓶を持ち上げて見せた。 ふむ、顎を持つ手は騎士様だけ有ってゴツゴツしてる。 「私も一緒に、どうかな?」 そんなの、もちろん。 「はい!よろこんでー!」 主人の部屋のソファはあれだ、人をダメにするソファだ。 騎士の仕事の話、趣味の乗馬の話、話は尽きないし友達と話ししてる感覚。 つまり、酒は進むしおつまみは美味しいし、俺は酔った。 デロデロにね。 ついでに前世の記憶の話もした気がする。 記憶が曖昧なのは、二日酔いと闘いながらどうにか思い出そうと頑張っているからだ。 気が付いたら主人と同じ大人3人は余裕で寝れるベッドの真ん中で抱きしめられて寝ていた。 目の前が肌色の壁だし。 寝着がはだけて逞しい雄っぱいだと気づいたら思わず触ってしまったのは仕方ないよね。 良い体してんだよ。主人様は。 いつか俺の理想の体型の見本にしたいから腹筋も見せてもらいたい。 絶対に割れてると思うんだよな。 クスクスご機嫌で起きた主人の着替えを手伝って、今夜も一緒に飲もうと言っていただきました。 貴族なのに、優しいよね。 そんな主人が好きです。 料理長におつまみの作り方を教えて、お菓子を作った。 メイドさん達とお菓子つまみながら今日の予定を執事長から聞いて。 締まりがないって? 糖分取りながらの方が良くない? まぁ、主人には見せれないよね。 この部屋から出たらみんな人が変わるから、ここだけね。 「主人のおそばに居てくださり、ありがとうございます」 ポニーと(勝手に)名付けた黒馬にブラッシングをしてると、態々言いに来てくれた執事長。 俺が来た事で館の中が明るくなったと。 常に貴族として振舞うのが当然の主人。 使用人の前でも自室に居ても変わらない。 私達では出来なかった、主人の癒しに俺がなってるという。 まぁ、何をしても怒られないから好き勝手にしている事が良かったのか?わからないが、主人が安らげるなら、道化にでもなってやろう♪ そう思えるくらいここの人達は良い人なんだ。

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