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第1話
ああ、ムカつく。
小暮 歩 26歳 会社員。
どこでもいるような男、人に頼られたら断れない、おせっかい野郎。
それが俺だ。
そんな俺がムカついているのは今日は華金だっていうのに上司に退勤寸前で仕事を押し付けられたこと。
時間がかかり気づけば夜9時になっていた。
そりゃあ、俺は他のやつと違って彼女も結婚もしてないし頼みやすいだろうけど……
なんでお前の尻拭いしてやらなきゃいけねぇんだよ!
普段は電車だがイライラをおさめたくて会社から歩いて家へと帰る。
歩きながらのんびりと考えことをする。
今日は俺の好きなもん作って酒飲んで寝るか
冷蔵庫の中何あったかな……
と考え事をしていれば
横から誰かに腕を掴まれる。
「おにーさん
今、イライラしたりしてない?
ストレス、発散させたくない?」
痩せ気味の男が俺に声をかける。
……ウリか。
「悪いけど俺、そういう趣味ないから。」
「おれとヤらない?ひどくしてほしいんだ、たくさん殴って痛めつけてほしい。
ストレス発散にちょうどいいよ。」
「は?」
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