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西野清貴サイド 地球が消滅する4日前 ①
………今日もコインパーキングに2人の女が待ち構えていた。
○ルシェとあの女だ。
なんで俺の周りをうろちょろしているんだろう。
途中でディープグリーンの○ャガーがあとをつけてきた。
たまたま方向が一緒なんだろうと思っていたら、コインパーキングまで入ってきて中から女性が二人降りてきた。
凄い若作りをしているお姉さん達の服はド派手で、香水を一瓶浴びたとしか思えないほど匂いがキツイ。
たぶん加齢臭を隠すために浴びているんだろう。
○ャネルも香水を作ったことを後悔してしまうような使い方だな。
「ねえ、お兄さんお姉さんたちと良いことしない?」
若く見積もって40と60半ばか。40歳はともかく、65歳はお姉さんとは言わないぞ。他の女達も呆れている。
「これから用事があるので」
逃げるようにアパートに向かうと当たり前のように○ルシェと女がついて来きた。
懲りないなーと思っていたら○ャガー40,65も、ふうふう言いながらついてきている。
地球が消滅するのに、もっと自分のために残された時間を使えばいいのにと思うが俺が言って言うことを聞くような感じじゃないから放っておく。
今日は自分でインターフォンを鳴らしてドアが空いた途端にスライディング土下座をして玄関に滑り込む。
流石に4回目となると土下座も上手く出来るようになった。
「おい、もう土下座すんのやめてくれよ。」
「じゃあ!」
篠崎がとうとう情に絆されてOKしてくれたんだ。
嬉しくて顔がほころんでしまう。
「…いや、そういう意味じゃないから」
篠崎の顔は期待させて悪いというような複雑な表情を浮かべている。
俺は必死に情に訴えて頼み込む。
「頼むよ。もうすぐ死ぬんだから最後くらい、頼みを聞いてくれ!」
「無理なものは無理。ほかを当たってくれ。それにお前の土下座は見飽きたからもうするな。」
「じゃあ逆立ちでも………」
「そういう意味じゃないっ。何もするな。」
「篠崎…」
「大体後ろにいる女の子は何なんだよ。今日は二人も増えてるじゃないか。」
女の子?いや、2人は女の子じゃないよ。と言いたいところだが、そんなどうでも良いことを訂正する必要はない。
「彼女たちは篠崎のアパートに通い詰める間に後をついてきただけだよ。」
女4人は紹介されたことをきっかけに篠崎に向かって睨みつけてギャンギャン騒ぎ出した。
「彼がこんなに頼んでいるんだから、お願い聞いてあげてよ。」
「そうよ。可愛そうじゃない。」
「アンタが言うことを聞いてくれたら、彼はもうここに来なくて良いんでしょ?ケチケチしないで早くしてよ。」
女達がくってかかるから篠崎も切れて言い返した。
「ふざけんなっ! 西野が狙ってんのは俺の尻なんだぞ! ホイホイ言うことなんか聞けるかっ!!」
「えっっ!!」
「BLなの?」
ざわつく4人の女達の顔色が変わっていく。
あれ?篠崎、なんかその顔、愛されているって得意げになってないか?
もしかして今まではヤキモチ焼いていたのか!
やっぱり篠崎は…
「BLでも良いわ。私は彼が好きなの。貴方、お尻でもなんでも早く差し出しなさいよ。」
まさか、○ャガー40がそんな事を言ってくるとは思わなかった。
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