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気持ちのよい晴れの日だった。
正門から出た二人は、並んで歩いていた。
いつものように他愛ない話をしている最中に、不意に満が切り出した。
「あのさ。なんで正也は、俺を傘に入れてくれたの?」
「なんでって…最初の時のことか?」
「それも含めて。それ以来、ずっと入れてくれたから」
「さあな」
「ええー」
正也は、そっぽを向いてからぶっきらぼうに言った。
「…好きじゃなきゃ、そんなことしないだろ」
「えっ…ええ!?」
早足でどんどん先に行ってしまう正也を、満は走って追いかけた。
「待って、正也…あの、あのさ。それなら、手繋いで帰ろ…」
「馬鹿か、お前は」
正也は照れ隠しに吐き捨てた。
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