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第47話
1週間後、圭太は新宿に向かった。琉季に会うためだ。まだ戻るというわけではなく、1回だけ会おうと思った。
連絡をしてから行けば良いのだろうけれど、サプライズで彼の店を訪れることにしている。
再び新宿の地を訪れたものの、緊張してどう接して良いか分からない気もしてしまう。
「け、圭太……」
店に指名で現れた圭太を見て、琉季は思い切り目を見開いた。
「ひ、久しぶり……」
「どうしてここに?」
「る、琉季さんが写真送ってきたんでしょ?」
顔を真っ赤にしながら、圭太は答えた。薄暗い店内では分かり辛いだろうけれど。
ようやっと琉季はシートに座る圭太の横に腰かけた。
「それはそうだけど……黙ってくるとは思ってなかったからさ」
「黙って来てごめん。それと……本当にごめんなさい……」
「……何が?」
分かっているだろうに、琉季は敢えて聞いてきた。
「琉季さんから、去ったことだよ」
「うん。あ、ちょっと!」
琉季は、傍を通りかかった店舗運営スタッフを突然呼び止めた。
「VIPルーム空けといてくれ」
「え?」
スタッフは一瞬狼狽えたようだった。
「いいから!押さえといて!頼む!」
そう言って琉季は彼に手を合わせた。
「分かりました。貸し切りにしときます」
「サンキュ」
琉季が礼を言うと、スタッフはお辞儀をして去っていった。
「瑠季さん?」
「お前、話しあるから、こっち来い」
瑠季は圭太を立たせようとしたので、圭太は戸惑った。
「え?話しならここでも……」
「真面目な話しだし、雑音入れないで落ち着く場がいいと思うからさ」
VIPルームは、上客などしか入れない特別な空間だ。
高級酒を入れたこともある圭太でもVIPルームに入ったことはない。
だから、まさかこのタイミングで入ることになるとは思いもしなかった。
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