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第56話
疲労感にくったりと2人で横になっていると、ポソリと琉季が呟いた。
「お前の中、やっぱり最高。俺のためにあるみたいだわ」
「そうかな。僕も、康二さんじゃなければダメだなって思う」
「当たり前だ。お前は俺のために、俺はお前のためにあるんだからな」
それを聞いて、圭太は嬉しそうにふふっと笑った。
「ねぇ。さっき聞いた、いつから僕のことを好きだったかって話、答え聞きたい」
「あぁ……俺が濡れ衣着せられた時に、助けに来てくれただろ?その時に、俺のために必死になってくれているのを見てさ、気になってきた」
瑠季は圭太の髪の毛をしなやかな指先で梳いた。
「あぁ、そっか。だって、あの時はいてもたってもいられなかったもん。心臓が止まるかと思ったよ」
「はは、大袈裟だなぁ。でも、すげぇ嬉しかったよ。
ありがとう」
圭太の額にキスを落とした。
「で、お前は?」
「え?」
「お前はいつから俺が好きなんだよ。もしかして最初からか?」
すると、圭太は瑠季に身を寄せて腕を回し抱きしめた。
「初めはね、瑠季さんがカッコいいと思って、会いたくてお店に行ったんだ」
「そういや、タウン誌見たとか言ってたな。ホストのサイトとかじゃないのな」
瑠季は可笑しそうに笑う。
「たまたま見つけたんだからいいだろ?別に」
圭太が少し拗ねると、瑠季は頭を撫でてくれた。
「そうだな。俺を見つけてくれてありがとう」
「ううん。瑠季さんのことカッコいいと思って会いに行くようになったけど、思ってたのと違うなと思うこともあったんだよね」
「えー?違うって何だよ」
瑠季が顔を覗き込んでくる。
「ウリ専やって貢げって言ったりとか色々……まぁ、ホストだから仕方ないんだろうけど」
「あー、何か悪かったな。俺も売り上げかかってたしさ」
「うん、それは分かってるよ。あと……」
「あと?」
「結構、僕のこと強引に抱いてたよね」
「それは……お前が可愛いから、つい……俺自身としてやり過ぎた」
「いいよ。あの頃は僕、辛かったけどね。会うたびに、抱かれるたびに琉季さんのこと本気になっていって、ただ無茶苦茶に抱かれることが辛かったんだ」
「そか……悪かった、圭太」
「ううん。僕を求めてくれてたことには変わりないし、こうして愛を感じながらできたから、満足だよ」
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