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変化
月城医大の職員室。
早朝の為まだ職員の数もまばらの中、真琴はその日の業務内容の確認をしていた。
真琴「…この患者はこれでいいな。あとは…(…今日の夜は秀吉の部屋に行くんだから定時で上がれるようにしないとな)」
秀吉「………真琴、……おはようさん」
真琴「…ああ、おはよう、って秀吉?ずいぶん疲れてるな。昨夜は忙しかったのか?」
秀吉「……忙しいなんてもんやないで。立て続けに急患が運ばれて来はって当直医も宿直医も関係なくかり出されとったわ」
真琴「…………それはまた」
秀吉「…もう、月城忙しすぎ。今日が休みやなかったらストライキおこすとこやで?」
真琴「秀吉、それは…」
秀吉「冗談や。ああそれと、同じく当番やった浅日クンが『……仮眠室で…少し寝てきます…』やて。あとで明紫波センセに言うといてな」
真琴「……分かった。秀吉はいいのか?」
秀吉「……ん~、俺はどうせ寝るなら寮に帰って自分の部屋で寝たい…けど、アカン。…もう限界や。ちょお寝るから30分したら起こしたって…」
真琴「え、おい秀吉?ここで寝るのか?………て、もう寝てる。…よほど疲れたんだな」
秀吉「………」
真琴「……疲れてすぐ寝るなんて子供みたいだ(…それに寝顔は天使)……起こすのは可哀想だが、秀吉の言うとおり30分したら起こしてやるか」
真琴「…秀吉、そろそろ時間…、……え…秀吉?」
秀吉「……」
真琴「秀吉、なんでこんな姿に?!…おい、秀吉!起きろって」
秀吉「………ん~、…あと5ふん…」
慶次「おっはよー、真琴。今日も早いじゃん♪って、何持ってんだよ?」
真琴「……慶次。いや、これはっ」
慶次「え?ぬいぐるみ?真琴にしてはめずらし~。あ、でもかわいいじゃん。白猫のぬいぐるみ、いや着ぐるみ着た人形のぬいぐるみかな?どうしたんだよそれ?」
真琴「…それが…」
秀吉「………も~、なんやの?…うるさくてねてられへんやん」
慶次「わ、しゃべった?!それに勝手に動いてっ」
秀吉「…………え?…まこと?なんでそないおおきいなってはるの?…それにまえきセンセ…も?」
真琴「秀吉、それが…」
慶次「え?それ、秀吉なのかっ!?」
政宗「おはよう」
幸村「……………はヨ」
政宗「ん?真琴に慶次、お前達そんな所で何をしているのだ?」
慶次「あ、政宗と幸村!聞いてくれよ!それがさ、秀吉がおかしな事になっててさ」
真琴「慶次、秀吉が怯えてるから大きな声出すな」
秀吉「……、」
慶次「あ、ごめっ」
政宗「なんと。ずいぶん愛らしい姿になったな、秀吉。ああそんな、真琴の影に隠れるでない。俺達は何もしないぞ、なあユキちゃん」
幸村「…ユキちゃんって言うナって。…………白ネギ味の飴食べるか?」
慶次「…………あ、出てきた」
幸村「……気をつけて持てヨ」
秀吉「……んしょ。…さなばセンセ、おおきに」
真琴「…(か、かわいっっ)」
慶次「……あ、また真琴の側に戻った」
真琴「……(秀吉ぃっ♡♡♡)」
政宗「わはは、真琴の側が安心なのだろう。どれ、落ち着いたら少し俺にも秀吉を抱っこさせてくれんか?」
慶次「え、抱っこ?俺も俺も!俺も秀吉抱っこした~い」
真琴「な、ダメに決まってるだろ(秀吉は俺だけのものだからな)」
慶次「え~っ、少しくらいい~じゃん。真琴のケチ~っ」
真琴「何とでも言え」
幸村「…………もう1本いるか?」
真琴「飴で釣ろうとするな、幸村」
政宗「俺が『たかいたかい』してやろう」
真琴「秀吉は赤ん坊じゃないぞ、政宗」
信長「騒々しいね。君たちは朝から何を騒いでいるんだい?」
秀吉「……げ、ひだセンセ(小声)」
慶次「…あ、真琴の後ろに隠れた(笑)」
真琴「な、なんでもないぞ。…なんでメスを取り出すんだ、信長」
信長「…君の後ろから白いのの気配がするからね」
政宗「信長。人にメスを向けたらいかんといつも言ってるだろう」
信長「うるさいよ、政宗。…そこだ!」
真琴「わっ」
秀吉「わわっ。なにすんねんじぶん。あたってたらおおけがじゃすまへんねんで?」
信長「…と言いつつ、そんな飴ごときで僕のメスを受けるなんていい度胸だね」
秀吉「…ひだセンセのあいてくらい、あめちゃん1ぽんでじゅうぶんやわ」
信長「……切り刻んであげるよ」
真琴「やめろ、秀吉。煽るなっ」
政宗「やめないか、信長。そんな子猫サイズの秀吉に大人気ないだろう」
慶次「うわっ、スゲッ。…逃げろ、秀吉!…お、そこだ、ガンバれっ」
幸村「……お前は何やってんだヨ。前木」
慶次「ん?ああ、あとで長政にも見せてやろうと思ってさ、録画してんだ♪」
光秀「うっせぇぞ、テメーら!朝っぱらから何騒いでやがる!」
三成「…全く、騒々しいですね」
信長「邪魔しないでくれるかい、光秀」
光秀「緋田?…テメーはこんな子猫に何やってやがる」
秀吉「は、はなしてや、あけしばセンセ。まだしょうぶはついてないんや」
光秀「………………は?…猫じゃない?」
三成「……どうやら豊白のようですね。…興味深い」
慶次「あー、みっちゃんダメだぞ!その顔は秀吉を研究材料にしてやろうって思ってるだろ!」
三成「し、失礼な。ほんの血液検査くらい…、いやほんの数項目の検査くらいですよ」
光秀「やめろ、研究オタク。で?これが豊白だとして、どうしてこうなったんだ?」
政宗「俺達が来た時には、もうその姿だったな。なあユキちゃん」
幸村「……………ああ、そうだナ」
慶次「俺が来た時もそうだったぜ。真琴が先に来てたし真琴が知ってんじゃないのか?」
真琴「……それが。…俺にも理由は分からない。夜勤明けの秀吉が自分の席で寝て、30分後に起こしくれって言われたから起こそうとしたら、その姿だった」
光秀「……なんだそりゃ」
三成「だから検査してみたらいいのではないですか?」
信長「開けてみて、ナカを診てみればいいよ」
光秀「…やめろ、テメーら。豊白はなんか原因とか分かんねぇのかよ?」
秀吉「…おれはつかれてねてただけやし…。あ、……」
真琴「何か思い出したのか?」
秀吉「…ネコちゃんになるゆめを、みたよう…な?」
慶次「え?じゃあ人になる夢を見たら戻ったりしてな♪」
一同「………」
慶次「なんか言ってくれよ~っ」
三成「つまらない冗談ですね」
慶次「みっちゃん、ヒドッ」
光秀「…そろそろ始業時間だな。おら、この件は保留だ。豊白は今日は休みだっただろ?誰かに世話してもらって」
信長「僕が見て(診て)あげてもいいよ。ふふふ」
光秀「却下だ」
政宗「ここは真琴に任せるのが妥当だろう。秀吉が一番心を許している相手だしな」
秀吉「……せ、せやな(照)」
光秀「…頼んでいいか?徳川」
真琴「ああ、任せてくれ」
光秀「よし。じゃあミーティング始めっぞ。テメーらはカンファレンス室へ移動しろ」
秀吉「……ごめんなぁ、まこと。めんどうなことにまきこんで」
真琴「ん?秀吉の事で面倒な事なんか一つもないぞ。それより明日はお前の誕生日だ。早く元に戻る方法を見つけてお祝いしような」
秀吉「…まこと。だいすきやで~♡」
真琴「俺もだ、秀吉」
秀吉のサイズが変われど真琴と秀吉のイチャつきは変わらず、案外早くこの件は方が付くのではないかと生暖かい目で見守る事にした他のメンバー達だった…。
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