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第1話 ハジマリ

ある日僕が飼っていたペットが死んだ。 真っ白な可愛いハムスターだ。 とても悲しくて…泣いて泣いて過ごした。 それから数日が経ったある日、僕の身の回りにおかしなことが起こり始める。 夜中誰もいない部屋からぼそと話し声がしたり。 廊下をミシリと歩く気配がしたり。 黒い謎の塊が横切ったり…。 幼い頃に水害で死に掛けたことがあり、それをきっかけに普通の人には見えないモノが見えるようになったんだけど…… それは気配だったりチラリとみえるだけの小さなもので、今まで気にならなかった。 しかし最近は……露骨に現れるようになり、夜中に苦しくて目が覚めると馬乗りになった女に首を絞めらていたりするのだ。 足首を捕まれたり……ここのところ毎日金縛りにあう……これはさすがにヤバいと感じたわけで…… 一体どうしたらいいんだよこれ…… 朝起きたら絞められたような痣が残っていた。 厄介だなぁ…どうしよう。 三橋紗久(みはしさく) 16歳 高校2年 現在兄と二人暮らし中。 はぁ……今日はなんかかったるいから学校休もう……制服着たけどこんな日はサボるに限るや。 やれやれ……この怪奇現象どうにかならないもんかな…… いい加減ウザいんだけど…… 近所のコンビニに昼飯を買いに向かう。 ここからコンビニまで歩いて約5分だ。 海岸が近く潮の香りが漂い生暖かい風のせいかひどく磯臭く、嫌いな匂いではないけど今日はやけに匂う。 山から湿気を帯びた土臭い匂いがして、胸がムカムカしてくる。 …… 早く家帰ってクーラーつけよ……除湿だ除湿。 コンビニでパンと飲み物を買い外にでた。 「ねぇサク……って君?」 ふと誰かに声をかけられた。 ? 振り替えって見るとコンビニの駐車場に一人で佇む男。 制服を着ているから……うちの学生かな? ……いや…… 「……誰?」 「俺ね……君と同じ学校に通ってるんだケドさ」 「……違うだろ……」 「?……なんデ」 「それうちの制服じゃない」

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