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第2話

そう……駐車場に佇む男が着ている服は良く似ているけど、うちの学校の制服ではなかった。 怪しい奴……男はえ?って意外な顔して自分が着ている服をマジマジを眺めている。 よく見たら長めの黒髪が……汚い。 「ちょっと間違えちゃった」 そう呟いた男は、僕の制服をマジマジ見ながら自分の襟元を撫でた。 …… あ、 こいつ本当にヤバい方の奴だ。 驚いた……撫でた襟元部分が僕のシャツと同じデザインに変わっていたからだ。 胸元のリボンがまるで生き物のように動き、触れていないのに綺麗に蝶々結びになる。 …… み、見なかったことにして早足で自宅に向かうことにした。 「あ、まってまって」 …… 「まってよサク」 怪しい男は僕の後ろをひょこひょこついて来てしまう。 あー!もう!! 「何なんだよ!お前!」 背後にいる男に向かって怒鳴った。 「……君はサクであってる?」 「そうだけど」 「そっか……やっぱり……君がサクか」 クククと男がニタリと笑った気がした。 それと同時に勢いよく左腕を掴まれる。 !! 「イヒャヒャヒャヒャ!!!!」 一瞬つむじ風が起き、目を開けていられない。 目を開けた時……男の顔は歪み人の顔ではなくなっていた。 黒い鬼なのか獣なのか…… まぁこの世のモノでない……化け物には間違いない。 …… 醜い姿に変わりゆくのを驚き眺める…… 「……だ、だから何だよ……痛いから離せよ」 「……」 焼け焦げた肉の匂いがした。 「……っ!」 言葉が通じたのかわからないが掴まれていた腕が解放された。 黒い化け物が呻く。 「フン………忌々しいな」 黒い化け物は自分の焦げ爛れた手のひらを眺め呻く…… 「……」 俺の腕には熱さも何も感じなかったのに…… 何が起こったんだ。 「あ……大丈夫……?」 ついそんなことを口にすると、黒い化け物の幾つもの赤い瞳が、僕をギロリと睨み付ける。 ……暫く沈黙の後、黒い化け物は先ほどの男の姿にシュルシュルと戻っていった。 CGみたいだ。 「……いやぁ……君おかしな子だね」 「……」 「俺のあの姿を見て冷静でいるなんてなかなか肝が据わっている…怖くないの?」 「……」 特に答える義理もないし無視してこの不審者から逃れようとしたけど… 結局…家の前までついてこられてしまった。 ……クソ……僕足速くないし……化け物を巻くなんてそもそも無理だ。 「ねーサクの家ここ?」 「……何だよお前……ついて来んなって!変質者!警察呼ぶぞ!」 「えー警察ってそんな物騒なもの呼んじゃだめだよ迷惑だよ。ご近所様に」 男はケラケラ笑いながら僕に近づいてくる。 …… 奴の着ている制服は、新品同様にキレイなのに、男の肌は薄汚れていた…… 「それに俺が人じゃないってわかってるでしょ……」 「……」 「家に入れてくれなくても無理やりでも扉壊して入っちゃうけどー」 「……」 「ってサク聞いてる?」 「……い」 「?」 「……クサ……イ」 「??」 「……お前……凄い、臭い!」

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