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第1話

はぁ…はぁ…あっ!もう…っくぅ!やだ!やぁっああぁ…あぁあああーーー!! がばっといつも通りに起き上がると、これもいつも通りに下半身の確認を、かけている毛布を軽く持ち上げてする。 はああああと、これまたいつも通りのため息。 「あれだけやれば…な。」 慣れた手つきでシーツをベッドから取り外すと、着替え一式と一緒に持って寝室から出る。 まだ夜と朝がせめぎ合う早朝という時間帯。 つけた電気に照らし出された廊下の先の扉の中のルームメイトは、今もまだぐっすりと夢の中だろう。 静かに廊下を進み浴室の扉を開ける。 扉をゆっくりと閉めるとほっと息をつく。 「毎朝これじゃ、慣れたもんだよな。」 苦笑しながらパジャマ代わりのシャツとパンツを脱ぐと浴室に入る。 まずは自分をささっと洗い、浴室の蓋の上に置いた欲まみれの布を持ち上げると、高校生かよとため息を吐きながら洗う。 それらを絞り、体を拭いて浴室を出ると、洗濯機の中に入れてスイッチを押し、洗剤と柔軟剤を流し入れて予約する。 鏡を見ながら髭の確認をして手早く用意を済ませると、服を着て外に出た。 ここまで約30分。 慣れってすごいよなと時計を見ながら思う。 こんな状況に慣れたくはないが、毎晩あんな夢を見れば仕方ない。 しかも…と思い出しながら無意識に手が腰をさする。 腰も重だるい気がする位にリアルなんだよなぁ。 昨夜の夢を思い出しながら、危うくまたもシャワーを浴びる羽目になりそうになる。 深呼吸をして身体を落ち着かせると、玄関に向かい新聞を取る。 ふっと匂う紙とインクの匂いに深く息を吸った。 やっぱりこの匂いだよな。 そしてぱらっとめくる時の紙の触感。 どんなにデジタルと言われても、読むものは紙の方がいい。 文字を追うという同じ行為なのに、紙だと体の中に浸みこんでいく気がするから不思議だ。 リビングに向かい、電気を点けてから静かに椅子を引く。 ふと思い出してキッチンに向かい、冷蔵庫から買っておいたコーヒー缶を出すと、グラスに中身を入れて捨てた。 グラスを持ってリビングに戻ると引いておいた椅子に座り、コーヒーを一口飲んでゆっくりと新聞を読み出した。 これがここ最近の俺の朝のルーティーン。

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