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第二章 白い掃除屋
駿佑は聖を連れて、24時間オープンのファミレスへ入った。
唇まで青かった聖の肌は、駿佑が差し出したカフェオレを飲んで、少しずつ色を取り戻していった。
「なぜ、あそこに来たんだ?」
「元町さんや、ミケの代わりに、見届けに」
「そうか」
立会人になってくれた、というわけだ。
「ミケは成仏できると思うか? 元町さんは、これで少しは救われると思うか?」
「はい」
声なくうなずき、駿佑はコーヒーを口にした。
(暴力の制裁を受け入れるこの子は、少し普通のΩと違うな)
これまで会って来たΩ性の人間は、掃除人としての駿佑の行為を嫌った。
何とかやめさせようと、躍起になった。
そして、そんな彼らと駿佑は、幾度となく別れてきた。
駿佑は考えるのをやめ、黙ってカップを置いた。
「明日の朝、元町さんに報告に行く。君も来るか?」
「はい。それで、あの」
「ん?」
「飛沢さんは、この街の人じゃありませんよね? どこかに泊ってるんですか?」
「今からホテルを探そうと思っている」
だったら、と聖は身を乗り出した。
「僕のマンションに泊りませんか?」
思いがけない、申し出だった。
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