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第2話

 それにしても……。  まったく、あいつら!!  狼が何もしてこねぇのをいいことに、ほんと進歩ねぇな!!  ……だけど俺は知っている。  本当は、狼がものすごく強いこと――。  それは、隣町にいる人間たちが俺をさらいに来る前から、知っていたことだ。  だって狼は、いくら殴られても――蹴られても、やり返さない。  それは、人の痛みを知っているからだ。  他人を傷つけることを、狼は嫌っている。  狼は、他人の気持ちを思いやることが出来る、とても優しいオオカミなんだ。  それって、ものすごく強い証拠だ。  だからきっと、今の長のように、狼だってこの村を立派に守ってくれることだろう。  狼の側にいると、すごく安心できるんだ。  だけど狼がいつまでもやり返さないと、狐や兎がずっと図に乗ったままになっちまう。  あいつら、バカだからな。  ……しょうがねぇな、だったら俺が――。 「狼を守ってやるからな」  狼が俺を守ってくれたように、俺も……。 「赤ずきんくん……。大好きっ!!」 「うわっ」  決意を口にすると、狼が抱きついてきた。  ポンポン。  頭を撫でてやると、狼が俺の身体にしがみつく。  可愛いし……。  俺、恥ずかしくて、あんまりお前みたいに好きって素直に言えないけれど、俺もちゃんと好きだからな。  そういう気持ちを込めて、俺も、たくましい背中に腕を回した。 ♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦ あかずきんくん。 おまけEND ♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦

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