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始まり

深夜。 俺はコンビニでバイトをしていた。 もうすぐバイトも終わる。欠伸を噛み締めながらレジ業務をしていた。 ピロロリン。 客を知らせる音楽。 もうすぐ上がりなのに…。 「いらっしゃいませー。」 やる気のない声で顔も上げずに言葉にした。頭の中ではバイト終わりに何するかだけが描かれている。 ふと、現実世界に戻ると客が目の前に迫っていることが分かった。 タバコか? そう思って顔を上げた。 「あ〜、やっぱりユーキ君いたぁ。」 「な?言っただろ?俺様の情報に狂いなしってな。」 「顔色悪そうだけど大丈夫?結城君。」 目の前の男3人。 楽しそうにキャッキャと笑う女みたいな男が1人。 鼻高々に自慢する赤髪のヤンキーみたいな男が1人。 ニタァと笑いこちらを見下してくる男が1人。 こいつら全員俺のクラスメイトで、全員生徒会役員だ。 血の気が引くのがわかる。 ガタガタと震えてくる。 「ユーキ君。分かってるよねぇ?うちの学校ってぇ、アルバイトはいかなる理由があっても行ってはならないっていう校則があるのぉ。」  「ひぃっ…。お、お願いだ。見逃してくれ。俺の家、貧乏で。俺が稼がないとやっていけないんだ。」 「それは無理な相談だよね。だって、校則なんだから。直ぐにでも辞めてもらわないと。」 「取り敢えず、今回のことは楓に報告だな。明日を楽しみにしとくんだな。」 そうして悪魔のような三人衆は店から出て行った。 「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

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