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夏合宿⑳

「ありゃ、寝ちゃったねぇ…。」 「気絶だろ。」 気絶した結城の周りを取り囲む5人。結城の頬をツンツンとつく鈴太郎の指を皐が止めた。 「潮吹くの初めてじゃない?イきすぎて出しちゃうなんて可愛いよね。」 「…流石にやりすぎただろうか。」 「うん、菊臣君は一旦鼻血止めたら?」 いまだに鼻から血を垂れ流してる菊臣に柾斗はティッシュを押し付けた。 「おい、このまま眠らせるつもりかよ。」 「そうだね、綺麗にしてあげた方がいいね。」 だれが…。5人はお互いの目を見合う。誰か1人がその権利を得る。 「じゃんけん…!」 結城が目を覚ましたのは11時を過ぎた頃だった。ゆりかごのようにゆっくりと揺れているのを感じ、窓の外を見ると一面の青。豪華客船。行きと同じ船だった。尻の痛みと腰の痛み、あと喉の痛み。段々と思い出す昨晩の記憶。 「…。」 「起きたぁ?」 ギギギと顔を横にずらす。5人が揃っている。鈴太郎は笑いながら結城に近寄る。 「体の調子はどぅ?僕がユーキ君の体洗ったんだよぉ〜!」 「…。」 結城は何も発さない。 「南、どうした。大丈夫か?」 菊臣の言葉にさえ反応を示さない。いつもなら先輩の言葉なら素直に答えるというのに。不自然に思った面々だったが、次の瞬間結城が何を思っていたのか理解した。 静まる部屋。 結城は枕をポンポンと叩き、立ち上がった。 「どぉりゃああああ!」 投げられる枕。方向なんて気にしないで投げた枕は柾斗の目の前に。だが、ふっと避け、その後ろにいた皐にクリーンヒットした。 「てめぇ!」 「はっ!ざまぁみやがれ!俺、約束したよな!3日に一回だって!んで、次の日まで影響出るなら二週間お触りなしだって!約束したよね!それが!合宿で2日連続!しかも!俺は朝5時に起きるのに今は昼の11時!めみゃくちゃ支障出てんじゃねぇか!約束通り、二週間お触りなしだ!俺に一本でも触ってみろ!今後一切ヤラせねぇからな!」 勉強しようと思っていたのに、最後の思い出に朝日を見ようと思っていたのに、その後には砂浜で走ろうと思っていたのに、全部、おじゃんだ。 全部、こいつらが昨日の夜、俺を…。 ああ!本当に腹が立つ! 「えー!ユーキ君もノリノリだったじゃんかぁ!」 「うるせぇ!いいから部屋から出てけ!バカやろ!」 「はぁ、仕方ないね。約束を破った僕たちの責任だ。」 楓さんがそう切り出すと仕方ないと面々は帰っていく。 「でも、二週間で許してくれるのは結城君も相当淫乱だね。」 「うるせぇ!」 もう一つの枕を投げる前にドアは閉められた。 その日、学園についた結城はそのまま実家に戻り、残りの夏休みを家で過ごしたとかなんとか…。 そして、また学園生活が始まる。 ーーーーーーーーーーーーーー 【ご報告】 これをもちまして、第一章が終了になります。 だから何かあるわけでもないですが、まだ小説のストックが溜まっていないため、また長期間あいてしまう可能性があります。 ただ、第二章の構想もしており、新キャラも登場する予定です。結城君のさらなるえちえちな災難が待ち受けているかもしれない! 良ければまたお付き合いして頂けますと幸いです。 では、お読み頂きありがとうございました。

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