12 / 233

「スイッチ」4 ※

 もう、あれからどれくらい、経ったっけ。   「……んっ……ん、あ……あぅ……!」  体の奥底に捻じ込まれた欲望は、圧倒的な快感をたたき込んでくる。  抜かれて、ぞわりと震えてる中を、もう遠慮はなく、一気に奥まで突き入れられる。  何度も繰り返されて、突き入れられる度に、軽くイくような感覚。   「……あぅ……っ……は、あ……」  中の感じる部分を、的確に刺激されて、腰が、知らず揺れる。  痛くなくて、気持ち良すぎるっていうのが、意味が分からない。 「……けい、すけ……っ……んっ……あ……っ」  脚をぐい、と持ち上げられて、折り曲げられる。 「……んう… …ぅ……ひ、あ……っ」 「……っ雅己……」  一番奥を突き上げられて、そこを小刻みに刺激される。 「……っあ……ぁん……っ」  喘いで開いた唇に、熱い舌が捻じ込まれて。  舌が激しく絡む。 「ん……っ……んっ、ふ……」  もう、頭、へんになる。 「雅己……気持ち、ええ?」 「――――……っ」 「言うて――――……約束したやろ……」  限界まで抜かれて、突き上げられる。  感じすぎて仰け反って。体が震える。声も出ない。 「……ッ……っ」  突き上げられて、感じてしまう部分を、啓介は簡単に暴く。  もう、「うん」と、頷いてしまう。  どこを突くと弱いのか乱れるのか、もう分かってると言いたげに、そこだけを狙って、突き上げてくる。  オレは、男なのに。  まるで、女みたいに、こんなに風に抱かれて。  啓介の思うままに、感じさせられるのが、嫌なのに。 「――――……っ雅己……」  オレの上で息が荒くなる、啓介。  ――――……なんか、こいつも、オレで、気持ちいいんだなと思うと。  体の奥で、何かがゾクリと震える。  触れられて、刺激されて、突き上げられて、圧倒的に感じさせられる快感も強いのだけれど。  それよりも、気持ちよさそうにしてる、啓介の顔を見た時の方が。  ――――……感じるって……ほんと、なんだろ……。  ほんとに、オレ、  自分が、よく分からない。 「……けぃすけ……」 「――――……うん?」 「……も、オレ――――……気持ち、よくて、死ぬから……っ」 「――――……」 「も、イかせて……」 「ん、ええよ」  クスっと笑って。ちゅ、と頬にキスされる。 「そしたら、あと少し頑張れや」  すぐ、体勢を変えられて。  片足を抱えあげられて、奥を、深く、突き上げられた。 「……っあ!……んん……あ……!」  そこから、激しく、なる。  肌がぶつかり合う音と、中を犯す音。  自分の荒い息と、喘ぎ声。 啓介の、荒くなる、息遣い。  音で、耳からも、犯されてるみたいで――――……。 「……っ……あ……っ……けい、すけ……っ」  ぎゅ、とシーツを握り締める。 「……あっ……んっ……あっ……」  意識が朦朧としてくる。  声がひっきりなしに上がる。 「……っああ……っ!」     奥で止まって。  啓介が、また体勢を変えて、仰向けにされる。  正常位、好き、だなほんと――――……。  全部見られるから、恥ずかしいんだけど……。  シーツを握り締めていた手をそっと取られて、顔の横で、手を繋ぐように握られた。なんかもうほんとに、恋人同士しかしなそうな体勢で、上から、見つめられて。  ほんと、恥ずかしい。 「……っ……うっ……んんっ……」 「――――……雅己」 「……っ?」 「……ほんまに、好きやで……」 「――――……っ」  真正面から言われて。深くキスされる。 「……雅己は? ――――……オレのこと、少しは好き?」 「――――……」  少しは、って――――……。  ――――……なに、その聞き方。 「……けいすけ」 「ん?」 「――――……嫌いなら、させて、ねーし……」 「ん……そか」  啓介が、荒い息の中で、くす、と笑う。  すぐに、唇が深く重なってきて。めちゃくちゃキスされる。  もうそこからは。  激しすぎる行為に翻弄されて。  キスに息も奪われて。完全に朦朧とする中。    意識を失うまで、揺すられ続けた、のだけ、覚えてる。  

ともだちにシェアしよう!