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「何なの」※

「――――……」  そっと下着の前部分を下げて、目の前に出てきたそれに、ちょっと顔を退く。もうすっかり落ち着いてたみたいで、反応はしてないけど。 「――――……」  ……見た事ないとは言わない。してる時も、見えるし。ゴムをつける時とか。外してる時とか。見えるし。でもなるべく見ないようにしてるので、こんな真正面で、ガン見したのは、ほんとに初。  ……つか、やっぱり、オレのより、デカいよな……。 「……………っ」  ていうかさ。オレ今なにしてるわけ。  これ、どうすればいい訳? ただ、見てればいいの?  別にガン見しても、気持ち悪くはない。  男同士だし、少し違っても基本は一緒だって分かってるし。予想通りだから別に見たからって、やっぱり急に気持ちが悪くなるって事も、無い。  ……って事が分かった所で、オレは一体、どうすればいいんだ。  つか、もともと分かってたんだってば。  オレが、言ったのは、される側のオレが、女の子と違うからって事で……。  啓介が男だから気持ち悪いとか、オレ、言ってないし。 「――――……けいすけ」  困って、啓介を見上げる。 「ん?」  啓介は、ふ、と笑って。オレの頬に触れてきた。 「……見えると、気持ち悪い?」 「…………」  ぷる、と首を振る。 「そもそもそんな事、最初から言ってねえじゃん……」  言うと、頬をなぞった指が、首筋へと走った。  ぞく、として、首を竦める。  啓介の手は――――…… なんかほんとやらしい。  なんで少し触られる位で、こんなん、なるんだろ。   「……触っても、ええよ?」  妖しく緩む瞳に、内心、すごく狼狽える。 「……っ」  ええよって――――…… ええよって、  オレが触りたいって、言ってるみたいじゃねえかよ。  そんな事言ってないし!  バカ啓介バカ啓介バカ啓介……!! 「……せやかてずっとそおやって見とってもな?」 「……っ……」  確かに、今これ以上、どうしていいか分からないけど……。  ……なんなのこの時間。  もう終わりにしたいんだけど……。  ……でもなんか進まないと終わらない気がする。 「――――……」  ふーーー、と息をついて。思い切って、触ってみた。  一気に熱くなったそれに、びっくり。 「っこんな急に、こんなん、なるなよっ」 「……お前が急に触るからやんか」 「だって触れって言ったじゃん」 「ほんまに触ると思てへんかったし……」  こんなひどい会話の最中なのに。  啓介は、手の中で、どんどん硬く、熱くなってく。  ……うわ――――……。  すこし、手を開いて、それを眺めてしまう。 「…………」  こんなんが、オレの中に、入ってるのかと思うと。  ……何で入るのか、不思議になってしまう。 「――――……これって……最大?」 「……ん? まだやな……って、まだ触られてるだけやんか。そこまでいかんわ」 「……」  ……つか。無理じゃねえ?  入んないよね、こんなの。  ……いつもどうやって入ってんの。 「――――……触ってどう思うん?   男やから嫌とか…… 気持ち悪いとか、思うん?」  啓介の言葉に、上向くと。  まっすぐ視線が絡んで、ふ、と笑われる。 「――――……思わないってば」  首を振る。 「ていうかさ、オレはさ、もともとお前、男って知ってるし……男の立場じゃん、オレとの関係も」 「……ん?」 「オレのことは女と比べるかもだけど、お前の事はもともと比べないに決まってるじゃん」 「せやから、比べて女がええんなら、最初から女に行くって言うてるし。 とにかく見ても、触っても、嫌やとか、思わないんやろ?」 「――――……うん」 「オレも、思わんよ。雅己のやから」 「――――……」 「あと、オレは――――……もうそっから、欲が入るから」 「…よく??」 「触りたい、なめたいとか……めちゃくちゃにしたいとか思うから」 「――――……っ」 「……せやから、むしろ、明るいところで、見せてくれた方が、興奮する」 「――――……」  まじまじ見つめられて、そんな風に言われて。  なんでそんなはずかしい事、人の目、見たまま、まっすぐ言うんだ。  バカ啓介!!  耳まで一気に熱くなって啓介から目を逸らす。  そしたら、手を外せずに持っていたそれが、どく、と反応した。 「――――……っ……」  なんかもう、これ、どうしたらいいんだ。  手の中で――――……やばいし……。  手を外して、完全に見えるのももはや怖いし。  どーすれば……。 「――――……雅己? いつまで握っとんの?」 「……っ」 「……なあ。それがお前ん中、入るの――――…… 想像して?」 「――――……っっ」  首の後ろに手が置かれて引き寄せられて、ちゅ、とこめかみのあたりにキスされる。耳元で囁かれて、ますます頭に血がのぼる。  なんてこと、言うんだ……。  さっきから、考えないようにしてるのに……。 「……めっちゃ慣らしてから……ゆっくり中入れるん、考えてみ?」 「……っつか、やめろっつの!」  想像しちゃうだろ…… 変態啓介っっっ!  もうほんと、やだ、こいつ。やだっつったら、嫌だ! 「んー……せやけど……なんや、お前、やらしい顔、してきたから」  くす、と笑って、啓介がオレの耳に唇を触れさせて、中に舌を入れてきた。 「っ……やめ……」  耳の中で音を立てられて、なぞられて、逃げようとした腕を掴まれた。 「……な、雅己、ゴムつけて?」  啓介が腕を伸ばして、持ったゴムを差し出してくる。 「お前ん中、入れたいから。――――……つけて?」  ななななんで、そんなこと……っ   「ん、ほら」  片手をそれから離されて。 その手にゴムを渡される。  ほらじゃねえし……!!!  バカ啓介! 変態啓介! お前絶対、女の子にもこんなような色々させてたんだろ、だからたまに、フラれてたに違いない。  もうほんとに、やだ。  なんか、いつもいつもオレばかり狼狽えさせられて、ほんとに腹立つ!  ――――………くっそ……。

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