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「おかしくなる」※

 深く重なったキスに、意識を奪われていると。  ゆるく、啓介が腰を引いた。 「……っん、ぁ……」  喘ぎに、唇が離れるけれどまた塞がれる。  抜き差しを繰り返しながら、どんどん奥まで入ってくる。 「……けい……す……っあ……っ」  段々啓介の動きが激しくなって。  ず、と奥まで、一気に突き入れられた。 「……ん……っ……!」 「――――……雅己……」 「……あ……っ……ぅん……」  何度も腰を打ち付けられて、自然とずり上がった腰を引かれて、また突き上げられて。後ろの刺激だけで、イってしまった。 「……あ……っ」  目の前が白くなる。  触られてないのに――――…… イっちゃった……。  かあ、と顔が熱くなって。滲んでいた涙が、目尻から流れ落ちていく。  なんか――――……。  気持ちよすぎて……やばい。   「雅己――――……」  不意に、足を掴まれて、体をくる、と反転させられて。  顔を枕に埋められた。 「――――……っ……」 「枕、抱いといて」  言われて、ぎゅ、と枕にしがみつくと。  少し腰を上げさせられて――――…… 後ろから、貫かれた。 「んっ……う……」  喘ぎが、枕に吸い込まれる。 「……あっ……んっ……」  揺すられて。  つながった部分から聞こえる、濡れた音も。肌がぶつかり合う音も。  聞くに堪えなくて、枕に顔を押し付けたまま、首を横に振る。 「……っ……く……なる……っ」 「――――……うん?……雅己?」  聞き取れなかったみたいで、啓介が、ぐい、と深く突きあげて、背中に肌を寄せながら、オレに顔を寄せてきた。 「……何て言うた?」 「……も……おか、しくなる……ってば……」 「――――……っ……後ろむいて、雅己」  切羽詰まれた声で言われて、振り返ると、深く舌を絡め取られた。 「……ンん……――――…… ふ……っ……ん、ぅ……」  苦しい体勢で舌と呼吸を奪われて。  よけい硬い気がする啓介に貫かれて。 「……ひ、ぅ……ん……あ……もう――――……」  胸と、下とに触れられて、また、イってしまった。  ――――……啓介、まだ、1回もイってないのに……。 「…… けいすけ……っ」 「――――……ん?」 「……前、が、いい……」 「ん……」  一度抜かれて、背を枕に埋めさせられて。  開かれた脚を割られて、貫かれる。  肩に手を置いて、それから、ぎゅ、と首にしがみつく。  すぐに唇が塞がれて、舌を絡め取られて。  何度も、突きあげられて。  荒くなっていく啓介の吐息に、終わりが近い事を、知って。  耐えられなくて、息を止める。 「……っ……んん……っ」  奥を最後に突き上げられて。啓介が、オレの上で、震える。  分かった瞬間、感じすぎて――――…… また、精が溢れた。  ……やば……。  ――――……なんか……気持ちよさが、半端ない……。 「雅己――――…… めっちゃ好き……」 「――――……っん……っ……」  息も絶え絶えなのに、また濃厚なキスが降ってきて。  ふ、と――――…… 意識が、途切れた。

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