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「25時間」

「……大丈夫って……変じゃない?」 「まあ、せやな……少し変かもしれんけど」  クスクス笑ってしまうと、啓介も、おかしそう。 「――――……じゃあさ。……オレが疲れてる時とか……今日はやだって時は、無しでいい?」 「ん。えーよ」  ……うん、じゃ、とりあえず、よかった。 「じゃあさ、あとさ、……ご飯も、学校の行き来も、学校も結構授業ほぼ一緒だし……友達もかぶってるしさ。寝るのも一緒とかいったら、24時間一緒にも居れちゃう、気がするんだけど」 「せやな」 「それで、良いの……??」 「――――……雅己は?」 「ん?」 「……雅己は、それだと嫌なん?」  逆に聞かれた。 「……オレは別にそれでもいいんだけど」 「ええの?雅己」 「……うん。別に。嫌だったら、ここ来てないし」 「雅己がええのに、何でオレに聞くん?」  何だか啓介がすごく不思議そうな顔で聞いてくる。 「……え、だって、啓介が嫌かもしんないじゃん?」 「……そんな訳ないやん」  はー、とため息の啓介。 「オレがお前とずっと居たくて同居したい言うたんやし、ずっと好きやて言い続けてたんもオレやけど」 「――――……」 「これでオレが、お前とずっと居るのが嫌なんて言うたら、ほんまに意味わからんけど、そう思わん?」 「……でも、一緒には居たいけど、24時間ずっとは嫌かもしんないじゃん?」  啓介は、フルフルと首を振ってから、オレの両頬を、ぶにっと手でつぶした。 「アホか。 24時間中25時間でも一緒に居たいけど?」 「――――…………ん?? 無理じゃね?」  口とんがったまま、そう言うと、啓介はおかしそうに笑いながら手を離した。 「だからそん位、一緒に居たいって事や」  そのセリフに、んー、としばし考えて。 「じゃあ、もう、ずっと一緒に居るって感じでいいの?」 「ええに決まってるやん。 逆に嫌やて言うたら、どーするつもりやったん?」 「……んー、敢えてたまには、ご飯別にするとか。 別に遊びに行くとか?」 「なんでそーなるん……」  ため息をついて、啓介がそう言った後。  急に、ふ、と笑った。 「なに?」  なんか、なに急に、にやにやしてんの? 「――――……なんや、こーして話してると」 「うん?」 「お前の方が、オレの事、好きみたいに聞こえるな?」 「――――……」 「毎日してたら飽きちゃう?とか。毎日一緒だと嫌じゃない?とか。 めっちゃ可愛く思えてきたんやけど」 「そ――――……そんな言い方してねえしっ」 「そう? 言うてる事、そーいう事やろ?」  クスクス笑われて、かあっと赤くなった頬が、ますます熱くなる。

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