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 ホテルの部屋の中でステイと言われたため、抵抗できず、ここで待つしかなかった。  鮫島は僕を置いてシャワーを浴びに行った。僕は今しかないと思って託に電話をかけた。  こんなこと言っていいのかと思ってスマホを持つ手が震えた。 「鈴也、どうしたの?」 「託」 「鈴也?」 「助けて」 「ちょっとマジでどうしたの? 今どこ?」 「未来ホテル302」 「そこで何やって」  説明してる時間はなかった。 「もう切んないと」  こんなことで通じたかはわからないが、鮫島が出てくる気配があったので電話を切るしかなかった。    そういえば今のうちにホテルを出れば良かったんじゃないかと思った。  何で託にわざわざ電話したのだろう。  風呂に入る前にステイと言われたからだと思い出した。電話だけなら止まっていてもできたから。  今から何をされるのかと思うと、恐怖で体が震えた。託以外のDomなんかに従いたくないのに。  風呂から出てきた鮫島は僕を値踏みするように隅から隅まで見た。  最初に託にもやられたけど、その時は不快じゃなかったのに。  シャワーを浴びたいと言っても、鮫島はさせてくれなかった。 「ニール」  と言われ、すぐにプレイを開始された。 「お手」  僕は反射的に鮫島の手にお手をした。 「マジで犬だな」  と笑った。もはや敬語ですらなかった。 「会社で威張っててもここでは無理だから。後輩にいいようにされるなんて屈辱だろ」  僕は威張った覚えなどない。  それに、屈辱よりも早く帰りたくて仕方なかった。託以外のプレイなんて1ミリもしたくないのに。  だけど、コマンドを使われると逆らえなくなるのだ。

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