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「クライムしよっ」 「だって託」  嫌みたいだったのに。 「ここまで言ってもわかんない?」  何が? 「きょとんとした顔すんのやめて」  だって、僕の理解が追いつかない。 「鈴也が好きって言ってるの」 「嘘」 「何でそこで疑うの?」  託に悲しい顔をさせてしまった。 「違っ。その」  だって、そんなの知らない。 「ただのいじめだったら学校行かないでそれで済んだんだよ」 「え?」 「鈴也だから嫌だった」  僕は何も言えない。 「そんな俺を見かねて、母さんは都内の高校に行かせてくれたんだ」  そんなことを言いながらも、託は僕の胸の突起を執拗に攻める。 「あっ。やっ」 「好きな人に無理矢理やらされる気持ちわかる?」 「あっ」  託の顔をまともに見られない。 「だから同じことしてやろうと思った」  託? 「ドロップするまでやるなんて最低のDomだけど」 「そんなことな」  唇を唇で塞がれた。  「鈴也こそ本当に俺でいいの?」  そんなの今更の今更で。 「中学の頃からずっと好きだった」  好きだからこそいじめてしまった。 「僕の方こそ、託を支配した気になって誤魔化してた」 「お互い様」  託に服を脱がされた。やっぱり恥ずかしい。つい手で覆ってしまう。 「隠さないで全部見せて」  グレアはなかったけど、金縛りにあったみたいに、動けなかった。 「あっ。託」 「きれいだよ」  そんなことないのに。僕の体なんて。  託がローションを取り出して僕は慌てた。 「ちょっ、ちょっと待って」 「鈴也はじめてでしょ? ゆっくりほぐすから」 「そうじゃなくて、汚い」  シャワーも浴びてない。 「なんだそんなこと?」 「託は何でそんな慣れてるの?」 「俺だって男とははじめてだけど」 「男とは?」 「あっ」  託はしまったという顔をした。  やっぱり。経験あるんだ。  しかも女の人と。 「若気の至りだって。そんなことで拗ねない」 「拗ねてない!」  託はそんな僕もかわいいとか、甘い台詞を吐くけど、絶対からかってるに決まってる。

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