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第34話 二人の誕生日が重なる瞬間に……2

 その夜の律はもどかしくなるくらいゆっくりと僕を愛撫した。 「あっ……やっ……やだ……も、お願いだから……律……」 「お願いだから、何?」  僕の乳首を舌と指でいたずらしていた律が頭を上げて聞いて来る。  眼鏡を外されぼやけた視界でも彼が妖しい微笑みを浮かべているのが分かる。 「……っ……」  イカせて欲しい……喉まで出かけている言葉。  でも、恥ずかしくて言えない。  僕は我慢ができなくなって自分の手を昂ぶりに持っていこうとしたが、律によって抑え込まれてしまう。 「……律っ……」 「涙ぐんじゃって……可愛い、陽馬……」  意地悪な律を睨んでみても涙目では何の効果もなくて。  律はクスクスと笑いながら僕と視線を合わせ、目尻にキスをし、耳元で囁く。 「仕方ないな……」  律の唇が少しずつ下へと降りて行き、待ち望んでいた場所へと辿り着いた瞬間、僕はようやく一度目の絶頂を迎えることを許されたのだった。  焦らされまくったせいか僕の吐精は長く続いて……。 「ああっ……あっ……あ……あ、ああ……」  いつしか僕は階下に父さんと母さんがいることさえ頭から飛んでしまい、甘い声をまき散らせていた。 「すっげーいっぱい出しちゃって、そんなに溜まってたの? 陽馬」  僕の放ったものを全て飲み干したあと、律が楽しそうにまたもや恥ずかしいことを言って来た。 「そ、そんなことないっ……」  律がしょっちゅう僕の部屋へノックもなしに入って来て、自慰の指導だとか言って、やらしいことするし、父さんと母さんがいないときはセックスまでするようになって、はっきり言って溜まっている暇もない。  なのに、律は僕の言うことなど全然信じてないと言わんばかりに頬にキスをして来て、 「もっと気持ちよくしてあげる」  艶やかに微笑んで見せた。

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