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後書き 作者的解説/考察◆終章
※ネタバレ全開につき、できれば全話完走後を推奨します。
終章:
正直、2を書き始めた時からここがホンットに一番書きたかったところです。その分加筆修正も激しかったり。
前作とは違い、想悟とクラブとの関係性、なども書きたいテーマではあったので、想悟(霧島家)自身の物語もしっかり完結させるつもりでした。
そして、もちろんずっと伏線散りばめてた「あの方」についても。
想悟の凌辱期間はだいたい三ヶ月ほどです。弱り切った蔵之助の余命が、想悟がクラブの任務を終える前に尽きてしまうことは初めから決まっていて……
つまり最初に蔵之助と話していた回想シーンが、親子の最後の会話になる訳です。
しかし結果的には、「孤児である」ことがコンプレックスであった想悟は、霧島と血が繋がっていました。
想悟としては喜んでいいような、でも父がオーナーであることは変わりなく、産みの母が蔵之助の実娘であったことを知った。残酷な事実であることには変わりありません。
これからも何か重い十字架を背負ったような心境のまま生きて行くことになるでしょう。
もっと早くDNA検査をしていれば、とか野暮なことは言っちゃあ。
蔵之助さんも、想悟が麗華の子(自分の孫である)と信じてはいるけど、もし万が一赤の他人だった時のことを考えると、科学的な断定は怖かったんです。人間、それも父ですから。
ちなみに、サブタイトルの「罪咎の神子」はここでようやく回収されます。
鷲尾に神だなんだとからかわれていましたが、想悟は本当に神の子のような存在だったのです。
なのに、そのせいで罪と咎を犯してしまわざるを得なかった……。
そして肝心の神嶽。
本当に居るのかすら疑問だった彼と実際に会ったことも、想悟の人生にとって深い爪痕を残していきます。
なぜ神嶽は想悟に会いに来たのか?
なぜ神嶽は想悟をその場で殺さなかったのか?
その辺は次のエピソードであるAnotherと鷲尾編で深く語ることにしましょう。
▶︎生贄学園〜Another〜へ続く(完結済み)
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