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後書き 作者的解説/考察◆守編
※ネタバレ全開につき、できれば全話完走後を推奨します。
守ルート:
おどおどドジっ子キャラ。想悟とは友人になれたかもしれない、生徒にもナメられている一般家庭出身の教師枠です。
ただ、その心は素直そうな彼とは正反対に閉ざされている。その時点で想悟は隠し事をされているなんて……とかなり懐疑的ですが、前作「木村勝の実弟」だとわかった瞬間ブチ切れます。まるで神嶽の背を追っているような自分にも腹が立ったのです。
実は、前作の勝ルートの最後で神嶽が見ていたテレビに映っていたのは何を隠そう守です。
当時はまさか勝が生徒いじめをしていたことなど知るよしもなかったので、失踪事件の家族として、顔は出さないもののたびたび取材を受けていたのが彼でした。(ネットとかでとっくに情報開示されてるでしょうけど)
と、クラブは当然二人の関係を知っていたので、その辺も想悟のキレポイント。まあ守の性格的な側面もありますが、このルートは想悟がキレまくりますね……。
凌辱されても、「忘れましょう」「霧島先生は優しいですよね」とか、何言ってんだこいつ発言しかしない守。
そりゃあ、想悟からすれば恐怖して許しを乞うてほしいのに明後日の言動なものだから、どんどんヘイトも溜まるというものです。
守がどうしてそうなのかと言えば、現実逃避と……まあ頭がちょっぴり弱いんですよね。先のことが考えられない。
クラブでの世良との再会シーンは楽しかったなぁ。「世辞」とか「芸術はさっぱり」なんて全否定されて。自分に自信がない守が唯一誇れるものはそれしかなかったのに。
ちなみに、想悟がぶっかけた例の絵ですが、想悟の出生に関わるとある人物を彷彿とさせている、なんて裏設定が。
ただし、変化後の性格は想悟もドン引きになっていきます。その辺の展開も真逆ですね。
いきなり奴隷指導の志願をしてくるなんて、従順になったかと思いきや……やっぱり演技というか、深く思い込みすぎて「可哀想な奴隷」から「ひたすら自己保身に走る愚者」に。
守にはわりと大声を上げたり、威圧的な態度をとっていた想悟なんですよ。それが、だんだん優しげな口調になってくる、とか。
そんな「少し成長した?」想悟のメンタルにもご注目!
守の最後は当然これでしょ、と。
前作の他キャラはルートにもよりますが、勝だけは殺されたとは言及がありません。つまり生きているかもしれない。しかも、前作で彼を買ったのはあの世良ですから。
そういう訳で、世良さんには最後に守を破壊するべく大切な兄を連れて来てもらいました。
前作から三年も経っている以上は、勝の心は完全に砕け散り、獣と化していました。だからこそ、守も最初はまさか相手が人間だとは思わなかったのでしょう。
逃げて、逃げて、逃げついた先に、真実を突きつけられた守もまた、精神崩壊してしまいます。
木村兄弟を手に入れられてご満悦なのは最後まで世良でした。
それには想悟もさすがに複雑ですが、これで調教が終わるから良かった、と他人事にすら考えてしまう彼もまた、皮肉なことに確実にクラブに染まった証でもありました。
守バッドエンド:
兄がアレなので、まず順序を反対にしようと考えました。(勝は他殺のち自殺を図る、守は……)
とにかく名前も、性格もそうですが彼らは対になってます。そこは意識しました。
まあ、想悟が未熟なせいでいろいろと拗れてしまうんですが。
そして何があったにせよ人として一線を超えた守と想悟の末路。
特に想悟は、彼が加害者であることは変わりない、しかし考えようでは彼もまた生まれついてのクラブの被害者……と、両方の意外な面を書けたのがこのエピソード。
因果応報な部分もありますが、ほんの少しだけ想悟も可哀想に思えてしまいました。
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