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後書き 作者的解説/考察◆誠太郎編

※ネタバレ全開につき、できれば全話完走後を推奨します。 誠太郎: 前作の鉄也とは違うベクトルで初めから主人公に好意を持っているキャラクターにしたかったのがきっかけです。 ただ、好きになった理由は特にない……というか考えてません。ご想像にお任せします。 他の教師とは違い、「真摯に怒ってくれた=人間として受け止めてくれた」というのは多少なりともあるかもしれませんが。 そんな誠太郎には、想悟も手っ取り早いと考え奴隷調教を提案しますが、それにも誠太郎は悩むことはありませんでした。 いまいち性奴隷というのが何かわかっていない部分もありますが、彼にとって想悟の言うことは絶対の領域に達していました。 だから蓮見に抱かせるのも、クラブでの輪姦も、想悟の命令だからと嬉々として受け入れました。 そうは言っても、誠太郎にも恐怖であるものはあります。医療プレイとか暴力を伴う行為とか。 そんな中で、誠太郎は怖くて痛くて苦しくても、絶対に「嫌」とは言いませんでした。 それを口にしてしまえば、想悟を全否定することになる。彼なりの覚悟でした。 ただ、彼が精神的に成長し、大人になることから逃げることをやめた時、想悟はそれを喜びました。けれど奇しくもそれは誠太郎に対する情ではなく。 自分が誠太郎を変化させたんだ、それに奴隷に堕ちた誠太郎を愛するなんて馬鹿のやることだ……そんな風にあまりにも自己中心的な思考に満ちていました。 もうその時点で誠太郎が好きだった想悟はこの世から消え失せてしまったのかもしれません。 それでも誠太郎は想悟のことが最後まで、いえ、一生好きで居続けるでしょう。盲信と言われればそれまでです。 ずっと片想いではあるけれど、真に想悟の心には届かなかったかもしれないけど、誠太郎自身がそれで幸せだと言うのなら、誰にも止める権利はありません……よね。 無理やりに想悟と引き離して一番傷付くのは、何より誠太郎なのですから。いろんな意味でつらい。 また、前作で悲惨な目に遭った鉄也については、蓮見が彼の恋心を馬鹿にしていたのはともかく、殺す必要はないと考えていました。まあ、生き地獄ではありますし、寿命は短いかもしれませんが。 第一子は前作で残念ながら亡くなってしまいましたが、序章で想悟が「どうしてクラブに子供がいるんだ?」と思った幼児こそが第二子です。 すくすく成長する彼女は生粋のクラブ生まれ、育ちの奴隷になることでしょう。そして第三子もそのうち生まれることになります。 想悟が父と同じく憎しみすら感じていたはずのまだ見ぬ母と鉄也を重ねて、うっかり涙を流すのは、諸々思うところはあったかもしれませんが、一番はもう迷わない為です。 そんな彼に寄り添う誠太郎も、度重なる不妊治療の末に生まれたからこそ、言葉の重さが違いました。 誠太郎バッドエンド: 良くも悪くも誠太郎は一貫して誠太郎だとは思ってました。 でもあれだけ想悟に否定されれば、どんな不思議ちゃんでも人間ですから傷付きもする訳で。それでも「信じていたかった」のではなく「信じている」んです。 結果として彼の愛情は最後まで過剰表現でしたが、それが想悟には呪いになってしまう訳で。 勘違いしないでほしいのは、誠太郎は想悟に苦しんでほしい、ましてや自分の為に、なんて全く望んでないということ。すれ違う二人。 最後に誠太郎が目を覚ます兆候なども考えましたが、希望が見えるようで想悟が偽善者この上ないのでやめました。 想悟は何もかも失って、一生かけて償いきれない己の罪を背負っていけばいいと思います。 例え誠太郎と離れ離れになっても。彼が亡くなっても。絶対に逃げてはいけない罪です。

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