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翌日、ユキトはその政治家の家を訪ねた。
豪邸のベルを押し、部屋に案内された。
テレビで何度かみたことがある。
いかにも政治家といった見た目の、髪の薄い太った男だった。
「おぉ、君がユキト君か。写真より美少年じゃないか」
その男が言った。
「お会い出来て光栄です。ご指名頂き、ありがとうございます」
反吐がでそうなのを堪えて、ユキトは笑顔で言った。
全ては証拠入手の為だ。
― 奴の懐に入り込み、信用させ、裏金についての情報を聞き出すんだ。この間の失敗の汚名を晴らさないと、スザクさんにも申し訳がない。
「ユキト君、私の隣に座ってくれたまえ」
「はい、失礼します」
手招きされ、奴の隣に座る。
「見れば見るほど美しい顔立ちだね」
顎を掴まれ、ユキトは至近距離で顔を観察される。
「ありがとうございます」
ユキトはできる限りの笑顔でお礼を言う。
心の内では、任務がなければ今すぐ殺してやりたいと思った。
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