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静かで薄暗い地下の牢獄。 ユキトはそこに囚われていた。 手足は拘束されていないものの、黄土色のローブのようなものだけを着せられ、ベッドとトイレしかない牢屋に一人閉じ込められていた。 「くそ…、囚人かよ」 ユキトは腹立たしげに小さく呟く。 色々と試したが牢屋は固く施錠されており、外に出る事は難しそうだった。 何より、全身に軽い痺れがあり、身体が言う事をきかなかった。 おそらく意識を失っている間に薬を飲まされたのだろう。 どちらにしろユキトにはなす術がなかった。絶望よりも不甲斐ない気持ちでいっぱいだった。 「…スザクさん…」 スザクの名を小さく呟いた。 言葉にしてから、無意識に彼の名を呟いていた事にユキトは気付いた。 無性にスザクの顔が見たい。スザクに会いたい。 彼の心は、そんな気持ちに包まれていた。

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