3 / 6

3

そうして、着いた先は。 「ショッピングモール…ですか……」 どこもかしこもセールセールで人がごった返してる中を、リッキーはズンズン進んでいく。 はぐれないよう懸命に着いて行くと、1つの雑貨屋さんへと入って行った。 んー?ここに何か用か? 見てみると、何やら可愛らしい動物の置物を手にとって悩んでいる様子。 「どしたのリッキー、何してんの?」 「いや、可愛いなと思って」 そんなファンシーな物見ながら「可愛い」なんて言ってる貴方が1番可愛いです、はい。 くそーイケメンだからって何でも似合いやがって。 「うん、まぁ可愛いけど……なになに? 誰かにあげんの?」 「あぁ、 ーーーー〝好きな奴〟に似合うかなって」 「ーーっ、」 ドクリ、と心臓が嫌な音を立てた。 これまで、リッキーは恋愛に関して来るもの拒まず去る者追わずで、リッキー自身から動いたことはなかった。 そんな彼が、今、好きな奴の為に動いている。 本気なんだな…次は…… マミちゃんとは終わってたのか。 本命できたら、そら振られるわなぁ…… いつかは、こういう日が来ると思ってた。 でも、まさかクリスマスの今日言われるなんて。 ははっ、やっぱ俺、運無いな。 朝からのワクワクしてた気持ちが、一気に沈んでいく。 でも、顔には絶対に、出さない。 「へぇぇそっかぁ!遂にリッキーにも好きな奴が!どんな子なの?」 「……優しくて、天然で、暖かい奴かな」 優しくて、天然で、あったかい…かぁ…… そんなの、絶対いい子じゃんか。 キュゥっと胸が軋む。 「そっか、成る程ねぇ…それで動物系なの?」 「あぁ、でもよくわかんねぇな……」 なんとなく、呼ばれた理由が分かってきた。 恐らく今日の夜、その子と会うのだろう。 それでクリスマスプレゼントを渡すから、そのプレゼント選びの為に俺が呼ばれてるんだ。 ははっ、痛いなぁもう。 でも……頼ってくれるのが嬉しいなんて、俺もどうにかしてる。 恋愛に全く興味のなかったリッキーが、やっと自分から動いた相手。 絶対に、リッキーと上手くいってくれないと困る。 悲しむ顔は、見たくないしな。 「おし、俺に任せろ! 」 痛む心に蓋をして、ニヤッ!と笑った。

ともだちにシェアしよう!