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18魚の餌か漬物の包丁か

キィイイイイイン  月下の夜に甲高く鈍い剣の音が交差した。まずは斬り込んできたヴェルジークの剣を、魔剣は受け止める。そのまま力任せに押し返すと体制を崩したヴェルジーク目掛けて、剣を突き込んだ。間一髪のところで避けると柄の部分で、イオの腹を狙う。  だが魔剣はイオの手から反転して刃を逆にすると、ヴェルジークの剣を止める。 「なかなかやるな、イオ」 「ひいっ!魔剣がやってるんだけどね!」 「いや魔剣の力だけでは、イオは今頃剣を弾き飛ばされているはずだ。やはりイオの剣の才もあるのだろう」 「だとしても、やっぱり剣が飛んでくるのは怖いからっ」 『それよりも、こやつ王を気絶させて戦意消失を狙っておるぞ。姑息な奴め』  魔剣の言うとおりヴェルジークは、まず所持者のイオが剣を放すような攻撃を仕掛けてくる。実力的には魔剣が上だが、戦いによる経験の差はヴェルジークが勝る。 「旦那様。魔剣に旦那様の手の内が読まれたようですね」 『あっ!男女め!』 「なるほど、ではコソコソ狙うのはやめて本気を出すとしよう」 「うわぁ!ケンさんが余計な事言うから!」  ヴェルジークの剣撃が重くなってきた。受け止めているのは魔剣でも、イオの身体まで剣圧が伝わって来た。重い一撃が繰り出される度にイオは後ろへ下がり、ついに斬り上げられた攻撃でよろめく。 「勝負あったな」  ヴェルジークが後ろに倒れそうになるイオの手を掴もうとした時、突然身体を捻り地面で身を低くしたイオは足蹴りを繰り出して来た。ヴェルジークの腹にヒットする。 「ぐっ!?」  そのまま地面に倒れ込むと、喉元に魔剣が突き付けられた。 「オレの勝ちだな」 『おお!さすが我が王である』 「・・・イオ?」 「・・・あ、あれ?あっ!ヴェルジーク、どうしたの!大丈夫」 『もガッ!?』  イオは魔剣を地面に突き立てると、倒れていたヴェルジークの手を取って身を起こしてやる。  一瞬、雰囲気が変わった気がするが今は元のイオのようである。 「俺の負けのようだ。魚の餌になるみたいだな」 「ええっ!?魔剣の冗談だよ」 『こやつは魚の餌にした方がよい!』 「意味のわからない勝負事にオレを賭けないで」 「なぜ、咄嗟に受け身を取った」 「なんの事?」 「覚えていないのか?」 「え、あ・・・うん」  ヴェルジークはイオの違和感は拭えなかったが、勝負は終わらせて屋敷に戻る事にした。  ロゼットに風呂の用意を頼み湯浴みをすませると、イオはヴェルジークの部屋に呼ばれた。ケンさんはうるさかったので部屋に置いてくる。  ヴェルジークはベッドに座っており、イオを手招きして脚の間に立たせた。 「あの、オレが蹴った・・・ところ大丈夫?」 「あぁ、俺の身体は普通より頑丈だからな。見るか?」 「えっ・・・あ、うん」  ヴェルジークは寝間着の上を脱いで、鍛え上げられた見事な腹筋を見せた。 「うわ、腹筋割れてる・・・男らしいな」 「触るか?」 「う、うん。・・・わっ、硬っ」 「んっ」 「えっ、どうしたの!?やっぱり痛い!?」 「・・・少し痛いかな。でもイオが舐めてくれたら治りそうだ」 「・・・ぅ」 「だんだんズキズキして来た」 「わ、わかった!」  イオはその場に跪いて、意を決してヴェルジークの腹筋を舐めた。ペロペロと舐めていると、髪を撫でられる。  イオは一応童貞ではあるが、知識としてはこの行動が卑猥な事をしている自覚はあった。ヴェルジークとは、騎士団宿舎の自室でお互いの性器を扱きあった。あの時の大きくて逞しいモノが腹のすぐ下で脈打っていると思うと、イオは自身の下肢が熱くなるのを感じた。 「そんなに俺の必死に舐めて・・もっと違うのが欲しいのか?」 「・・・ぅ、・・そんなことは・・んぁっ」 「俺は君に負けたから、君の好きにしていいんだぞ。魚の餌でも、奉仕でも」  ヴェルジークの爪先が、イオのモノを撫でて翻弄する。 「今度は、オレも・・ヴェルジークのする」 「いいよ」  このままでは多分お互い収まりつかないのと、以前自分だけ多く気持ちよくしてもらったのはフェアじゃないとイオは思った。  そしてヴェルジークは、スボンの中からまだ緩やかなモノを取り出す。通常の状態でもすでに大きいソレは、イオの愛撫を待ちわびるように脈打っていた。

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