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28従者は騎士に深く愛されています※
イオはメリュジーナ侯爵家に戻った夜、久々の懐かしい料理を堪能し久々の自分のベッドにくつろぐだ。
「はぁ〜、我が家の安心感・・・」
『久々の我が主の安心感・・・はぁはぁ・・』
「・・・・・ケンさん、人型になるのやめてくれないか」
『なぜだ?こーんな美人に添い寝されて嬉しいであろう?』
そしてケンさんは、誰も居ないのをいい事に名無しの魔王の姿でイオに添い寝する。半透明なので触れる事は出来ないが。
「とりあえず誰か来たら誤解するような雰囲気はやめようか」
『な、なぜだ!?我が嫌いなのか!?そうかのか』
「いや、うん・・・嫌いじゃないけど、このままだと好きになれないような気が」
『ならば剣か!剣の姿なら添い寝してよいのか!』
「え、うん、剣の姿なら・・・・」
『どうだ、剣になったぞ!これで抱きしめて眠れるであろう!あ、あれ・・・?主よ、なぜ我を布にくるむのだ!あ、あ、そんな、収納棚にしまうでない、あ、主よ〜──────────』
パタン
イオはケンさんの必死な叫びが届く前に、収納棚にそっと仕舞い込んだ。
「ふぅ・・・」
コンコン
「ん?誰だろ」
部屋の扉を叩く音がしたので開けると、ヴェルジークだった。
「どうしたの?ヴェルジーク」
「少しいいか?」
「うん、入って」
部屋に招き入れた途端、ヴェルジークはイオの腕を掴んで足早に入るとベッドに押し倒した。
「んぐっ!?」
そのまま荒い口づけをしたかと思うと、いつもの紳士的な態度とは程遠い乱暴さで服を脱がしていく。自身も性急に服を脱ぐと、その辺りに投げる。現れた騎士としての鍛えられた身体を見せつけられて、イオは身体がゾクゾクする感覚を覚える。
「あっ・・・はぁはぁ・・、ん、ヴェル・・ジーク」
「すまない、なんとか自分を抑えようとしたが・・・イオが目の前にいると、どうにも・・・」
「ん、だ、大丈夫だよ・・・」
「イオ、抱いていいか」
「えっ!?ぁ、ぅ・・・うん」
「ありがとう」
「ぁ、んん・・・、ッ、んぁっ」
ヴェルジークはイオの首筋や胸を愛撫しながら、いつの間にか用意していたのかまた潤滑剤を後孔に塗り込んでいく。
最初の頃に比べればいくらかは慣れた様子だが、まだ身体は緊張しているようだ。指を増やしながらイオを気持ちよくさせようと、ヴェルジークはキスや言葉で愛していく。
「イオ、愛している。この先も俺と一緒に歩んで欲しい」
「あ、あの・・・オレ、・・・ヴェルジーク、オレ!」
「どうした?」
「オレはヴェルジークのこと好きだ!!!」
「・・・・・」
イオは必死の叫びでやっと好きを伝えることが出来た。そしてついに言えたという肩の荷が下りたような達成感で、身体が緩む。
その束の間、足を掴まれ広げられたかと思うと中に圧倒的な質量と熱が入り込んできた。
「ぁぁぁああああ!!!」
ヴェルジークが性急にイオの中に入り込む。そして足を抱え込み尻が浮き上がると、さらに強く穿ち始めた。パンパンと乾いた甲高い音が静かな部屋に響く。
「んッ、あ、ああッ!だ、だめ、つよぃ、・・んうぅッ!ん、ああッ」
「はっ、イオ・・・イオ」
「あぁ、あ・・ん、・・・ふ、んむっ、ん、・・ん」
「もっと深く俺を受け入れてくれ」
「ぁ、そんな深く、あッ・・・ッ、・・・んんッ、んー!」
身体をさらに密着されキスをされながら抱き締められると、ヴェルジークの性器はさらに中へと入って行く。違う角度で抉られる感覚が、どんどんイオの昂ぶりを高めていく。そしてわけもわからないまま、白濁が胸まで飛び散る感触が伝わり頭のどこかで達したのだと感じていた。
達したことで身体は脱力し、手足をぐったりさせているとヴェルジークはまだ硬度を保つ猛る雄を抜く。乾いた唇を舐める仕草に見惚れていると、今度はひっくり返されて四つん這いにさせられる。
「んッ・・ヴェル・・?ひっ、ぁあああああッ!?」
そのまま腰を掴まれ、再びヴェルジークの冷めない熱に貫かれた。先ほどよりも激しく動かれ、イオのベッドはその振動でギシギシと鳴り響く。
「あっ、あ、ん、ああッ!ま、待っ・・・ッ!」
「イオ、・・ッ、もう一度言ってくれ」
「ん、んんッ・・な、なに?」
「俺のことを好きだと」
「ぁ・・・あ、・・・す、好き・・んぁッ!」
「もう一度頼む」
「好き、んんッ・・ヴェル・・好きぃ、ああッ!」
「もう一度・・・」
「っ、あ、すき・・・も、ダメ、っ、あぁ、イクッ!イクッ──────!」
「──ッ」
好きと言うたびに奥まで突き込まれ、耐えられなくなったイオは再び達しベッドに白濁を染み込ませる。そしてその余韻の締め付けによって、ヴェルジークは隙間がなくなるほどイオを密着させ1番奥まで熱を放つ。腹の中でドクドクとたくさんの愛が溢れていくのを、ベッドに突っ伏したイオは感じていた。長いヴェルジークの射精は、内側から包み込むようにしばらく続いた。
イオがやっと解放されると、こっそりと風呂に入れてもらい甲斐甲斐しく着替えさせられると向かい合うようにベッドに添い寝されている。
「イオ、身体はまだ辛いか?」
「ん、大丈夫・・・」
「戻って来てくれてよかった」
「ヴェルジーク・・・」
「君が眠りについてこのまま目覚めないと思うと、いても経ってもいられなかった。もう離れないでくれ」
「ぇ・・・うん・・」
冷静になってみると男前な容姿のヴェルジークと正面から愛を囁かれるとやはり恥ずかしいのか、イオは目線を逸らす。だが頬を包まれて顔をまた向かい合わされる。
「男前なヴェルジークに正面から言われると、なんか恥ずかしくて・・・」
「俺の容姿?・・・普通だと思うが?」
「うーん、無自覚」
「俺はイオの方が凛々しくて気高い男前だ」
「うッ・・・・」
「出会った頃はあんなに可愛く俺の腕の中で身じろいでいたのに、今は強く美しくなった。それに君の周囲にはどんどん人が集まっていって、誰かに盗られないか心配だな」
「そ、そんな事ない・・から、うん・・・ぉ、オレはこの先もヴェルジークの・・・従者だから」
「使用人か・・・今はそれでいいかな」
ヴェルジークは照れるイオを堪能しながら、そっと掴んだ指先にキスをする。するとイオの目付きが変わり、紫の瞳が妖艶にヴェルジークを見つめている。
「イオ?」
「おい、このままキスで終わりじゃないよな?まだ夜は空けてないぜ、ヴェル」
「・・・」
「あ、あれ?・・・どうしたの、ヴェルジーク。そんな狐につままれような顔して」
「・・・いや、まだ夜は空けてないなと思って」
「ん?あ、な、なに???あっ、ちょっと、また・・・ヴェルジーク────!!!」
『はっ!!!我の魔王の気配がする!主よ、ここから出してくれー!主ー!』
何やら気配がしたがイオは、夜通しケンさんの叫び声を聞きながら再びヴェルジークに深く深く愛されるのであった。
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