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第一章 僕は兄さんが好きなの? 兄さんは僕が好きなの?
大学生の瑛一(えいいち)と、高校生の惠(けい)。
二人は、ある男が妻以外の女性との間にもうけた兄弟だった。
そのこともあり、幼い頃はよくいじめられた。
特に、小柄で華奢な惠。
髪は淡い栗色で、色白の肌。
一見するだけでは女の子と見間違えてしまうほどの美少年だったため、それもいじめの材料となった。
かたや瑛一は、背が高く筋肉質。
髪は漆黒のくせ毛で、褐色の肌。
外で遊ぶことが好きだった瑛一は、惠とは真逆の外見を持った。
腕力もあり頭もよいので、その気になれば子どもの世界でボスになることもできたが、彼はそれをしなかった。
一匹狼で、惠をいじめるやつは許さない。
弟思いの、兄だった。
そんな瑛一だったので、惠もよく懐いた。
兄さん兄さんと、後を追った。
陽だまりの中の、あたたかな日々。
だが、瑛一が大学生に、惠が高校生になった時、その日々は終わりを告げた。
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