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「でも、そろそろ私も九蔵に手を出したくてたまらなくなってきたのだが……」
九蔵がおしゃぶりにハマっていると、ニューイが不意にそんなことを言い出した。
熱に浮かれた視線を上げてニューイを見つめる。ニマ、と笑いかけられる。
純粋無垢なシャイニングスマイルだが、ニューイがニコニコと言い出すことはたいていろくなことじゃない。
「ん、ぅ」
「飽きないよう、刺激が欲しいと九蔵は言っていた。なら、悪魔の私にしかできないプレイはいい刺激になると思うのだよ。それこそ向こう百年新鮮に抱き合えるプランがある。──例えばこんなにふうに」
「っ……?」
ニューイがパチン! と指を鳴らすと、目の前の笑顔が揺らめき、蜃気楼のようにぼやけ二つに分離し始めた。
九蔵はポカンと目を丸くする。
そうこうするうちに分離した片方が輪郭を得ると、それがなにか判明する。
むき出しの骸骨頭。黒く滑らかな二本の角。折りたたまれたカラス色の翼に、自在に動く長く伸びた尻尾がうねる。
擬態姿のニューイよりも二回り大きいそれは、悪魔姿のニューイだ。
「っ……!?」
九蔵の頭には疑問符が乱舞した。
イケメンニューイが消えたわけじゃない。なのに確かに悪魔ニューイがいる。
しかし混乱する九蔵の頭を、二人のニューイが同時になでた。
「クリスマス・イブに、私の手をもいだだろう? しかしその時、私には手があった。これはその応用さ」
『人間に擬態している間使っていない悪魔の体を呼び出し、操っているのだ。セルフ操り人形悪魔バージョンである』
「つまり私一人で二つの体を使い、九蔵を愛することができるのだよ」
──えぇと、それって……〝浮気でも三角関係でもなく、健全で平和的に3Pができるぞ〟ってことだよな?
(っう、嘘だろ……っ!)
ニューイたちの説明を理解した九蔵は、喉奥をギュッと締めて驚愕した。
複数プレイはハードルが高すぎる!
九蔵は慌てて腰にまわした手を引いて咥えていたモノを解放したが、物申す前に背後に回った悪魔ニューイに腰を掴まれ、動きを止めてしまった。
そこを捕まえられると尻を持っていかれるので、否が応でも目の前のニューイにしがみつくしかない。
「ニューイさん、あの、なにするつもりかだけ聞かせてほしいんですがっ……ぅ」
「? 大丈夫、二人になっただけだからね。いつもと同じことである」
『うむ。いつもと同じことである』
「ぅおっ」
背後の悪魔ニューイにジーンズを下着ごと膝まで下げられ、九蔵の無防備な下肢が丸出しになった。
「ま、前と後ろ、同時か……!?」
『? 二人いるからね。私のを舐めているだけじゃキミは感じないだろう?』
「でもその、ハード過ぎますと……」
『安心するのだ、九蔵。キミを傷つけたりしない。私に任せて、楽にしておくれ』
「っぁ、は……っ」
嬉しげな悪魔ニューイの声。
たっぷりのローションに塗れた人外の太く大きな指が、ヌル、と割れ目をなぞる。
十分に湿らせた窄まりへグプ、と指が入りこみ、内壁にローションを刷り込むように、入り口を扱いて出入りした。
(っ……やべぇ……悪魔のニューイもニューイなのに、いつものニューイの指じゃねぇ気がして、ゾクゾクする……)
ゾクッ……、と肌が粟立つ。
浮気じゃない──のに、不貞行為をしているような、不慣れな指だ。
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